「いちじく」には女性に必須の栄養素がたっぷり

いちじく食と美容
スポンサーリンク

「いちじく」には女性ホルモンによく似た栄養素が

夏から秋が旬の果物と言えば「いちじく(無花果)」です。

いちじくを手にするたびに思い出すのが、「昔から不老不死の果物と言われるほど栄養が豊富なのよ」といった亡き母の言葉です。

生前の母は、『暮らしの手帖』という雑誌が『美しい暮らしの手帖』というタイトルだった頃からの熱心な愛読者でしたから、おそらくはそこから得た情報でしょう。

「いちじくには女性ホルモンによく似た栄養素が含まれているから、きれいになれるわよ」――そんなことも、私たち姉妹にはよく言っていたように記憶しています。

「きれいになれる」かどうかはともかく、いちじくには、女性ホルモンであるエストロゲン(植物性エストロゲン)が豊富に含まれていて、月経前症候群や更年期障害の症状を和らげてくれることも確認されているようです。

他にもさまざまな栄養効果が期待できるのですが、いちじくは旬が短いこともあって、栄養価が高く、特に女性には魅力的な栄養素が多い割にはあまり話題にのぼりません。

そこで今回は、いちじくの魅力にこだわって書いてみたいと思います。

スポンサーリンク

「いちじく」の植物性エストロゲンが女性特有の不調を改善

いちじくを半分に切って見ると、赤みがかった果実の中に白いツブツブがたくさんあるのがわかります。

このツブツブの一つひとつがいちじくの花です。

いちじくを漢字で書くと「無花果」ですが、花がないわけではありません。

花が熟すと種子になるのですが、この部分に植物性エストロゲンが豊富に含まれているのです。

植物性エストロゲンとは、卵巣から分泌される「エストロゲン(いわゆる「卵胞ホルモン」)という女性ホルモンによく似た働きをする植物由来の栄養成分です。

この植物性エストロゲンは、いちじく以外にも、私たちが日々食べているさまざまな植物に含まれています。

よく知られているのは大豆などのマメ科植物に多く含まれていて、「イソフラボン」と呼ばれています。

ピスタチオやクルミ、カシューナッツなどのナッツ類やハーブ類にも、植物性エストロゲンが含まれているのですが、いずれもその量はごく少量で、いちじくほど多くはありません。

エストロゲンは女性らしい体づくりに必須のホルモン

エストロゲンが「女性らしい体づくりを助けるホルモン」と言われるように、植物性エストロゲンも体内のエストロゲンをサポートしながら、乱れやすい女性ホルモンのバランスを整える働きがあります。

この働きにより、月経前症候群(PMS)と呼ばれる生理前のつらい症状や生理痛、さらには40歳を過ぎた頃から始まる更年期障害といった女性に特有の不調を改善する効果があると言われています。

また、植物性エストロゲンには、肌の健康に欠かせないたんぱく質の一種である「コラーゲン」の再生能力を高める働きもあって、美肌効果も期待できるようです。

生理前の体調不良と基礎体温管理アプリ
排卵のある女性が毎月決まって悩まされる月経前症候群(PMS)は、基礎体温を継続的に測定、記録して生理日を予測し、事前策を講じることにより症状を改善できる。最近は基礎体温計も進化し、管理アプリとの連動により、生理日の予測も簡単になった、という話と具体策を。
スポンサーリンク

ミネラル豊富な「いちじく」はむくみや便秘の予防・改善も

いちじくには、必須ミネラルの「カルシウム」や「マグネシウム」「カリウム」、さらには女性に不足しがちな「鉄」も豊富に含まれています。

カルシウムは、骨や歯の健康維持に必要な成分です。

とりわけ閉経後の女性に多いことで知られる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防するうえで、カルシウムは欠かせない栄養素です。

マグネシウムも骨や歯の構成成分です。

加えて、神経や筋肉の働きにも深く関与していますから、マグネシウムが不足すると筋肉の痙攣(けいれん)や「こむらがえり」が起きやすくなります。

また便秘との関係も深く、古くから酸化マグネシウム薬が便秘薬として使われていることはよくご存知のことと思います。

さらにはカリウムも豊富に含まれているのですが、カリウムは、体の中の余分な塩分と結合して、塩分の排泄を促すという減塩効果を高め、血圧を抑える働きをしてくれますから、高血圧の方には欠かせないミネラルです。

同時にカリウムのこの働きは、体の水はけをよくしてくれますから、むくみの予防、改善にも貢献してくれます。

が貧血やかくれ貧血の予防や改善に必須であることはご承知の通りです。

水溶性食物繊維のペクチンが便通を整える

いちじくには、水溶性食物繊維の一つである「ペクチン」も多く含まれていて、腸内環境を整える働きにより、便通を整え、便秘や下痢の予防、改善に一役買ってくれます。

加えてこのペクチンには、食後血糖値の急激な上昇や、動脈硬化を促進する悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の増加を抑えて糖尿病の悪化や合併症を防ぐとともに、血圧を安定させる効果も期待できることが確認されています。

「ドライいちじく」なら旬に関係なく利用できる

いちじくには初夏から盛夏にかけて実をつける「夏果(なつか)」と、晩夏から秋にかけて実をつける「秋果(あきか)」の2種類があります。

味がいいのは、「夏果だ」と言う方が多いのですが、「いやいや秋果のほうだ」と言う方もいて、結局は好みの違いなのだろうと理解しています。

いずれにしても、いちじくは日持ちが悪いため、生食用にスーパーなどに並ぶのはほんの一時期ですが、幸いドライタイプのいちじくもありますから、一年を通して手に入れることができます。

乾燥いちじく」とも呼ばれる「ドライいちじく」の多くは輸入品です。

この輸入ドライいちじくについては、15年ほど前、正確には2005年2月と5月に、アメリカ産とトルコ産のドライいちじくから「アフラトキシン」と呼ばれる発がん性を有するカビ毒が検出されたことがありました。

以来、全輸出国のドライいちじくのすべてに検疫検査が実施されるようになっていますから、現在は輸入品でも安心できると言っていいでしょう。

開封後のドライいちじくは冷蔵庫に保存

ただし、どんな食品についても言えることですが、一度開封したものをそのまま常温で保存していると、カビが生えるリスクが否定できません。

ドライいちじくのパッケージを一度開封したら、乾燥剤も一緒に密封して冷蔵庫に保存するか、密閉容器に移し替えて冷蔵庫に保存することをおススメします。

また、パッケージには「賞味期限(未開封)」「保存方法」「取り扱い上の注意事項」などが必ず明記してありますから、そこをしっかり読んで、書かれていることを厳守することをお忘れなく。

その際には、「栄養成分表示」も忘れずにチェックし、特にカロリーにご注意ください。

ドライいちじくは乾燥により水分が抜けて栄養分がぎゅっと凝縮されていますから、カロリーで言えば、1個約20gで60Kcalほどになっています。

「太りたいのに太れない」ことで悩んでいる方には、おやつや間食におススメですが、逆に、ダイエット志向の方は、カロリーオーバーにご注意を!!

「太りたいのに太れない」は贅沢な悩みかしら
「痩せたい」人は多く、そのための情報があふれているが、反対に「太れない」と悩む人も少なくない。その悩みは、スリム化を望む人には理解されず、それがまた悩みとなるようだ。巷のプロテインやサプリメントを手にする前に、医師の診断、指導を受けることをススメたい。