卵を食べるなら半熟で! 発毛・育毛効果も

半熟卵食と美容

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卵の魅力は良質なたんぱく質だけではない

時々発生する鳥インフルエンザの影響で手に入りにくくなることもある卵(鶏卵)ですが、数ある食材の中でも卵は手軽にとれる良質なたんぱく源として多くの方に重宝されています。ただ、その魅力はたんぱく質だけではありません。ビタミンCと食物繊維、およびクロムの三つを除く必須栄養素のすべてを、実にバランスよく含む完全栄養食品です。なかでも見逃せないのが「レシチン」です。

レシチンには、コレステロールが血管壁にたまるのを防ぎ、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などを予防する作用が期待できます。また、レシチンの構成成分である「コリン」には、認知機能の維持や乳がんの予防にも効くことで注目されています。

ただ、今回はコリンの話ではなく、半熟状態の卵の黄身、つまり卵黄が、肌の健康に、また髪の発毛・発育にもいいという話を書いてみたいと思います。

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卵を食べるなら半熟状態がいちばんいい

卵には実にいろいろな食べ方があります。生のままの卵をちょっとかき混ぜて炊きたてのご飯にかけるのもいいでしょうし、目玉焼きにしてパンにはさんだり、ゆで卵、卵焼き……と、レシピは豊富です。

ただ同じ卵でも、調理方法が違えば体内に入ってからの消化・吸収率も違ってきますから、当然、得られる栄養効果にも違いが出てきます。そこで、「生」で食べるのがいいのか、「加熱」したほうがいいのか、加熱するとして、どの程度加熱するのがいいのか、という話になるわけですが……。

結論から言えば、「卵は半熟の状態で食べるのがいちばんいい」ようです。理由は、これは卵に限らないのですが、たんぱく質には「熱変性」といって、加熱によりたんぱく質の性質が変わる特性があるからです。

卵黄が生に近く、卵白が少し固まった状態の半熟卵に

生のままの卵には、もともとたんぱく質の消化・吸収を阻害する成分が含まれています。この阻害成分は、卵を加熱すると、熱変性により破壊され、結果としてたんぱく質が効率的に消化・吸収されるようになるのです。

ただ、だからと言って、ただ加熱すればいいということではありません。加熱しすぎると、かえって消化・吸収に時間がかかるようになってしまいます。また、卵黄部分に多いレシチンやビタミンB群には加熱に弱いという性質があります。

したがって調理方法としては、卵黄が生に近く、卵白が少し固まった状態に調理する、たとえば温泉卵やポーチドエッグ、いわゆるみそ汁やスープなどに卵を割って落とすだけの「落とし卵」にするのが、卵に含まれている栄養素を余すところなく消化・吸収するうえでベストと言われています。

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半熟状態の卵黄に発毛や育毛を促す成分が含まれる

「半熟状態の卵がからだにいちばんいい」と言われる理由はもう一つあります。卵黄には、ビタミンB群に属する「ビオチン」が含まれているからです。

ビオチンは「ビタミンB7」とも「ビタミンH」とも呼ばれ、私たちの皮膚や粘膜、さらには爪や頭皮の健康に深く関わる水溶性ビタミンです。

特に頭皮に対しては、新陳代謝を活性化させて毛根に栄養を届けやすくし、発毛や育毛を促す効果のある点が、一定の年齢層に広くアピールしているようです。実際、市販されている育毛剤や養毛剤のなかには、「ビオチン配合」と明記してあるものもありますから、「ビオチン」という名前をご存知の方もおられるでしょう。

このビオチンは、卵で言えば卵黄部分に含まれているのですが、生の卵白部分には、ビオチンの消化・吸収を妨げる成分が含まれています。幸いなことにこの成分は、卵を加熱すると破壊されますから、加熱調理により、ビオチンを効率的に消化・吸収できるようになります。卵は生のままより半熟を、とおススメする根拠は、この点にもあります。

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頭皮の血行を促す卵黄のビオチンを白髪対策にも

卵黄の成分であるビオチンのメリットは、頭皮の血行を促進して発毛や育毛を促すだけではありません。皮膚の炎症を防ぐ働きもあるのです。

「最近ちょっと抜け毛が多くて気になる」とか「白髪が目立つ」、あるいは頭皮以外でもアトピーなどの皮膚の炎症が治りにくいようなときは、ビオチン不足が影響している可能性も捨てきれません。ビオチンは水溶性ビタミンですから、過剰に摂取しても尿として体外に排出されます。そのため、とりすぎて健康トラブルを起こす心配はありません。

「卵は、卵ご飯にして生のまま食べることが多い」という方は、早速今日から半熟卵にして少し多めにとるようにしてみてはいかがでしょうか。

■卵は以下の方法でゆでると、頃合いのいい半熟卵が出来上がる。
①冷蔵庫から卵を早めに取り出し、10分間ほど水を張った鍋に入れておく
②その後、約6、7分間を目安にゆでる
目玉焼きなら、黄身の色具合から判断する。
■15分もあれば、セットするだけで温泉卵のような半熟卵を作ってくれる象印 温泉たまご器 マイコン式 エッグのような調理グッズもあるので活用するのもいい
■小ぶりの耐熱容器に卵を割って入れ、卵が浸かるくらいの水を加えてから、黄身に竹串か楊枝で1~2か所穴をあけ、ラップをかけずにそのまま電子レンジで500Wなら約40秒、600Wや700Wなら30秒ほど加熱すると半熟の温泉卵ができる。黄身に穴をあけるのを忘れると、黄身部分が爆発するのでご用心。
■100均セリアには、熱湯を注ぐだけで本格的な温泉卵ができるグッズがあります。

健康ならコレステロールを気にせず1日2~3個の半熟卵を

卵については、コレステロールを気にして「1日1個まで」と決めている方が依然として多いようですが、これはまったくの誤解です。医師から高コレステロール血症を指摘されている方は別として、健康であれば、卵を1日に2~3個食べても、血中コレステロール値への影響はほとんどないことが研究で確認されています。

厚生労働省も2015年に、日本人の食事摂取基準からコレステロールの上限値を撤廃していますから、安心して半熟状態の卵を積極的にとるといいでしょう。

なお、ビオチンは卵黄以外にも以下の食品に多く含まれています。上手に活用するといいでしょう。

  • 椎茸(特に、干し椎茸)や舞茸(まいたけ)などのきのこ類
  • ししゃもやアサリなどの魚介類
  • ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類

ピーナッツには脳梗塞を防ぐ効果も

なお、「ピーナッツ」については、ビオチンとは別に、やはり多量に含まれる不飽和脂肪酸が脳卒中、特に脳梗塞の発症リスクを下げる効果を期待できることが研究で確認されています。詳しくはこちらをご覧ください。

ピーナッツの摂取量が多いと脳卒中になりにくい
ナッツ類、特にピーナッツはカロリーが高いことで敬遠しがち。だが、思わぬ健康効果を期待できることが研究により確認されている。認知症につながりやすい脳卒中、特に脳梗塞の発症リスクを下げるというのだ。その研究成果と併せ、ピーナッツの上手な摂り方を紹介する。

参考資料:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書 各論 ビタミン(水溶性ビタミン)」