「肌年齢」は心身の健康状態のバロメーター

肌年齢食と美容

肌年齢は美容上の話だけで終わらせない

このところ街を歩いていると、ドラッグストアなどが掲げているあるポスターが気になります。

そこにはこう書かれています。
「あなたの肌年齢をチェックして、スキンケアを見直してみませんか!!」

「肌年齢をチェックするって?」と、疑問に思う方もいるでしょうが、肌年齢を自分で簡単に測定できる、電子体温計のようなスキンチェッカーなどが、各種出回っています。

さらに最近は、スマホで顔写真をアップすれば簡単に肌年齢を知ることができるアプリケーションもリリースされています*¹。

肌表面の水分量や皮脂(油分)量、キメの細やかさ、ハリ具合(弾力性)、しわの状態、メラニン量(色素沈着)などから肌年齢を割り出すもので、肌の健康状態を評価するバロメーターとされているのですが……。

「でも、それって肌本来の健康状態ではないでしょ。自分に合ったスキンケアをしていれば、肌は健康な状態に保たれるから、肌年齢としては実年齢より若く出るのは当たり前でしょう」

そんなふうに友人がつぶやくのを聞き、肌年齢は美容上の話だけでなく、心身の老化とか体の内部の健康状態といったことと大いに関係がある、といった話を聞いたことを思い出しました。

そこで今日は、そのへんの話を書いてみたいと思います。

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肌は内臓の鏡、肌年齢は心身の健康状態を映し出す

かなり前になりますが、月刊誌の取材で、漢方薬を中心とする東洋医学がご専門の医師を取材させていただいたときのことです。

たまたまその日一緒だった男性カメラマンは、もう40歳を軽くオーバーしているのに、青春真っただ中の若者のように、顔に赤みがかったニキビのようなものが、ブツブツと目立っていました。

取材がひと通り終ったところで、医師がカメラマンに、さりげなくこう言ったのです。

「肌は内臓の鏡ですからね。あなたのそのニキビのようなものを肌の表面だけのトラブルだと思わないほうがいいですよ。ブツブツの原因は、体の内側にあるのかもしれませんからね」

指摘を受けたカメラマンは心配になり、すぐにその翌日、内科を受診しています。

肌の荒れには食生活の乱れによる肝機能の低下が影響していた

で、案の定と言いましょうか。

諸々の検査を受けてから1週間後の再診時には、肝機能が少し低下しているとの診断を受け、医師からススメられて栄養指導を受けたそうです。

毎日の食事記録を持参して受けた栄養指導では、管理栄養士から食生活の乱れ、とりわけ野菜不足による栄養バランスの乱れを厳しく指摘されたとのこと――。

「あまり好きではない野菜ジュースを1日に最低1缶飲むように言われ、日々実行しているところです」
といった報告メールが、取材からおよそ半月が経った頃に届きました。

彼とはその後、会う機会がなかなかなかったのですが、5カ月ほど経って久しぶりに会ったときには、連日の野菜ジュースの効果でしょうか、例のニキビは目立たない程度まで治まっていました。

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肌のターンオーバーが促進されれば肌年齢は若返る

ご承知のように、私たちが普段「皮膚(ひふ)」と呼んでいる部分は、「表皮(ひょうひ)」と、その下にある「真皮(しんぴ)」、さらにその下の「皮下組織(ひかそしき)」の3層構造になっています。

このうち表皮部分の、表面に最も近い角質層の部分を「肌」と呼んでいるわけです。

ここでは「ターンオーバー」と言って、古い細胞から新しい細胞へと入れ替わる新陳代謝、つまり「肌の生まれ変わり」が、休むことなく繰り返されています。

このターンオーバーが、「美肌を保つカギ」だと言われています。

肌細胞の新陳代謝であるターンオーバーが滞ることなくコンスタントに繰り返されることにより、肌の健康が守られ、肌年齢も歳相応、あるいはそれ以上の若さが保たれることになるのです。

肌細胞のターンオーバーがスムーズに進むためには、この新陳代謝に使われる水分や栄養分が過不足なく送り込まれる必要があります。

ターンオーバー促進のカギを握るのは血液のめぐり

女性はもちろん、最近では多くの男性も、スキンケアと称して、汚れを洗い流した後の肌に、美容液やクリーム、保湿剤などを毎日せっせとぬっています。

しかしながら、肌の表面から水分や栄養分を補給しても、肌のなか、つまり新しい肌細胞が作られる真皮の下の、基底層(きていそう)と呼ばれる奥深いところにまでは入り込んでいけません。

肌細胞のターンオーバーに必要な水分や栄養素を補給する役割を担っているのは、1日24時間、休むことなく全身を循環している血液です。

この、皮膚組織に送り込まれる血液の流れ具合、いわゆる「めぐりの良し悪し」や性状は、そのまま肌細胞のターンオーバーに影響を与え、肌の健康の度合い、つまり肌年齢に大きく反映されることになります。

肌年齢が実年齢より高いときは生活習慣の見直しも

たとえば低栄養状態だったり、体内に活性酸素などの有害物質が増えて、血管をはじめ、体のあちこちで酸化が進んで錆びついたような状態が続いていると、肌にはその影響が乾燥やシミ、しわ、クマ、くすみといったトラブルとなって現れてくるというわけです。

逆に言えば、前出の東洋医学の医師が指摘していたように、肌にシミやくすみなどが目立ち、肌年齢が実年齢より高く出るようだったら、体の内部でも、健康上好ましくない状況が起きているサインと受け止め、それなりの対策をとる必要があるということになります。

その対策としては、日々の食事や運動習慣、睡眠やストレス状況といった、生活習慣全般を見直してみるのが手っ取り早く、かつ確かな方法です。

よく感心させられるのですが、女性の一流アスリートの肌は、概して生まれたばかりの赤ちゃんのようにとまではいわないまでも、とてもきめが細かく、輝いています。

彼女たちは紫外線を浴びることが特に多いと思うのですが、紫外線の影響に負けないほどよく動き、汗をたっぷりかいていますから、肌細胞のターンオーバーが人一倍活性化しているのだろうと思います。

そんなふうに勝手に思い込み、私自身もできるかぎり体を動かして汗をかくようにしています。

肌年齢に影響を与える抗酸化力のある食品

それと、やはり大事なのは栄養バランスのよい食事を摂ることです。

とりわけ意識して多めに摂りたいのは、体内で増え続ける活性酸素を取り除く効果が期待できる抗酸化力のある食品です。

抗酸化力のある食品とは、体内で血管などが活性酸素により酸化されて錆びつく前に、自ら酸化されて体が酸化されるのを防いでくれる食品のことです。

アボカドはその代表ですが、その他の抗酸化作用のある食品としては、β-カロテンやビタミンCを多く含む人参や緑黄色野菜、果物ならりんごや柑橘類ビタミンEが豊富なナッツなどの種実類、オリーブオイルに代表される植物油、小麦胚芽などです。

仲間内のおしゃべりで肌の状態が話題になると、どうしても化粧品などスキンケアの話に傾きがちです。

しかし、「肌は内臓の鏡」であることを思い出し、体の内側にもしっかり目を向けて、食事や運動といった生活習慣に問題がないかどうか、改めて見直してみたいみたいものです。

なお、こちらの記事も併せて読んでみてください。
→ 美容を妨げる「AGE」を増やさない

「ぐっすり熟睡する」質の良い睡眠も大事

もちろん睡眠も重要です。

睡眠については「何時間眠るか」ということを重視しがちですが、むしろ大事なのは「質の良い眠り」、つまり「きちんと熟睡できているかどうか」が大切です。
この辺の話はこちらに書いてありますので是非参考にしてください。

コロナ禍に負けず質の良い睡眠を確保するコツ
コロナ禍による生活スタイルの変化は多くの人を睡眠不足に陥れている。質の良い睡眠を確保するためには、「普段どおりの時間に起床して日光を取り入れる」「長い時間の昼寝をしない」「生活にメリハリをつける」など。睡眠の「時間」ではなく睡眠の「質」にこだわることだ。

参考資料*¹:花王SOFINA「肌id」