「乳がん検診無料クーポン券」をご存知ですか

ピンクリボン保険の話

乳がん検診を受けて乳がんの早期発見、早期治療を

毎年10月は「ピンクリボン月間」です。
「乳がん月間」とも「乳がん啓発月間」、あるいは「乳がん検診受診促進月間」とも呼ばれています。

「ピンクリボン」とは、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を伝えるために、世界共通で使用されているシンボルマークのことです。

ご承知のように、乳がんは女性に最も多いがんです。

日本人女性が一生のうちに乳がんになる確率は、統計上は約11%となっています。
つまり、9人に1人が生涯に一度は乳がんを経験していることになります。

女性であれば誰もが「私は大丈夫かしら」と心配になるのではないでしょうか。

ところが、幸いなことに乳がんは、無症状のうちに検診を受けて早期に発見できれば、適切な治療を受けることにより治癒する確率はかなり高くなるのです。

しかも、この乳がん検診は、自治体(市区町村)が一定の年齢の女性を対象に発行する「無料クーポン券」を使えば、費用を気にすることなく受けることができます。

あるいは無料とはいかないまでも、自治体が実施している乳がん検診には、検診費用の自己負担分を補助する制度もあります。

今回はそのへんの、乳がん検診にかかる費用の話を中心に書いておきたいと思います。

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40歳を過ぎたら2年に1回、乳がん検診を

国の指針では、女性は40歳の誕生日以降は、2年に1回、乳がん検診を受診することをススメています。

この場合の検診は、乳がん検診の「一次検診」と呼ばれ、「問診(もんしん)」と「マンモグラフィ」と呼ばれる乳房のエックス線検査が基本になっています。

このうち「問診」では、検診時の体調や病気の有無に関する質問を受けます。

自治体により質問内容は微妙に異なりますが、おおむね以下となります。

  • 生理の周期などの月経の状況(閉経している方は閉経時年齢)
  • 妊娠や分娩、授乳の経歴(出産している方は出産回数や最終の授乳は何年前か。なお、妊娠中や断乳後6カ月未満の方は対象外となります)
  • 自己触診で乳房にしこりや痛みを感じたことがあるかどうか(自覚症状がある方は医療機関の受診をススメられることがあります)
  • 家族にがん(特に乳がん)になった人がいるかどうか
  • これまでにがん検診(特に乳がん検診や子宮がん検診)を受けたことがあるかどうか、受けていた場合はその時期、そのときの判定や診断

問診に続いて行われる「マンモグラフィ」とは、乳房専用のエックス線撮影です。

撮影台の上に乳房を載せ、プラスチック製の透明な板で乳房を平たく圧迫して、乳房全体を上下や斜めの2方向から撮影します。50歳以上の方の場合は、1方向のみの撮影で終わることもあります。

なお、「心臓ペースメーカー」を装着している方、あるいは過去に「豊胸手術」を受けている方は、マンモグラフィを受ける前の問診の段階で、その旨を伝えることをお忘れなく*。

以上の流れで行われる一次検診は、通常1時間ほどで終わります。
自治体が発行する「乳がん検診無料クーポン券」が使えるのは、この一次検診です。

*心臓ペースメーカーを装着している方はマンモグラフィに代えて超音波検査が行われます。あるいは専門の医療機関で検診を受けることになる場合もあります。
過去に豊胸手術を受けている方は、豊胸素材(シリコン注入、シリコンバック、ヒアルロン酸注入など)に応じた検診法が必要になるため、検査前に必ず報告する必要があります。

乳がん検診無料クーポン券を受け取れるのは?

「乳がん検診無料クーポン券」は、住民票のある市区町村の「がん検診担当窓口」が取り扱っています。

各自治体のがん検診窓口の問合せ先などは、日本医師会のWebサイトにある「がん検診窓口マップ」で検索することができます*¹。

無料クーポン券の発行を受けられる年齢は自治体により多少の違いがありますが、おおむね40歳、42歳、44歳と2歳ごと、60歳までというところが多いようです。

また、対象年齢の方へ無料クーポン券を自動的に発行、送付してくれる自治体もありますが、多くの自治体は「がん検診担当窓口」に本人が申し込んで発行を受ける必要があるようです。

前者の場合は対象年齢であるにもかかわらず、後者では申し込んだもののクーポン券が届かないまま検診日を迎えてしまうといったこともあるでしょう。

そのような場合は、検診を受けた医療機関に自己負担額を支払うことになりますが、後日払い戻しを受けることができます。

また、無料クーポン券には有効期限があります。
期限を過ぎてしまうと、いかなる理由があろうとクーポン券は無効となりますのでご注意ください。

乳がん検診で異常が見つかったときの追加検査の費用は

無料クーポン券で受けた乳がん検診(一次検診)の検査結果は、検査後早くて10日、最長でも1カ月後には、主に文書で通知されます。

その結果が「異状なし」であれば、ひとまず安心です。
とは言えそれで終わりではありません。その後も定期的(2年毎)に検診を受けることが大切です。

一方、一次検診の結果が「異常あり」の場合は、乳がんの可能性があるかもしれませんから、追加として精密検査(二次検診)を受け、本当に乳がんかどうか確かめておく必要があります。

その結果、「異状なし」、あるいは「良性の病変」であることが確認されれば安心ですが、油断することなく、引き続き2年に1回の定期検診を欠かさず受ける必要があります。

精密検査の結果、「乳がん」と診断(確定診断)されることもあるでしょう。
その場合は、速やかに医療機関を受診して治療を受けることになります。

乳がんの自覚症状があり受診すれば健康保険が使える

一次検診により、「しこりがある」などの異常が確認されると、追加検査や医師による診察、さらには治療を受けることになれば、無料クーポン券は使えませんから、別途費用がかかります。

また、乳房の自己触診でしこりや痛みなどの異常を感じて受診し、検査を受ける場合は、保険診療の対象となりますから、医療保険(健康保険)を使うことができます(3割負担)。

いずれの場合も、各自治体の助成金を活用することが可能です。

特に乳がんの治療費が高額になり、自己負担額が一定の額(年齢や所得に応じて「限度額」が決められている)を超えた場合は、「高額療養費制度」を活用すれば、自己負担分を低く抑えることができます。

この「高額療養費制度」は自分で申請しないと給付(払い戻し)を受けられません。
その辺の詳細についてはこちらを参照してください。
→ 医療費が一定額を超えたら「高額療養費」の申請を

参考資料*¹:日本医師会「知っておきたいがん検診 各自治体のがん検診窓口」

参考資料:日本対がん協会 乳がんの検診について