「糖質オフ」「糖質カット」で気をつけたいこと

炭水化物食と健康

栄養成分表示の「炭水化物」と「糖質」の関係は?

スーパーなどで簡単に手に入る容器入りや包装された加工食品の多くは、パッケージの裏側などに、その製品の栄養成分が表示されているのはご承知のことと思います。

食品表示法でこの表示が義務づけられている栄養成分は、「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「ナトリウム(食塩相当量に換算したもの)」の量(g)、および「熱量(kcal)」です。

このうち「炭水化物」については、食品によってはその内訳として「糖質」と「食物繊維」について、場合によっては「糖類」についても、それぞれの量を表記してあるものもあります。

ここまで詳しく成分表示をされると、「炭水化物イコール糖質ではないの?」とか「糖質と糖類はどう違うの?」といった疑問をもたれる方も少なからずいるのではないでしょうか。

さらには、「炭水化物はダイエットの敵とばかり思い込んでいたけれど、ダイエットの強力な見方である食物繊維も炭水化物の一種だったのだ」と改めて気づかされたりもします。

「糖質カット炊飯器」や「糖質制限ダイエット」「糖質オフビール」等々、このところ「糖質」を意識させる食品や嗜好品が注目を集めていますが、そもそもこのような製品とはどのように付き合えばいいのでしょうか。

今回は、糖質の正体を探りつつ、そのあたりのことを考えてみたいと思います。

「炭水化物」には「糖質」だけでなく「食物繊維」も多い

まずは、たんぱく質や脂質とともに三大栄養素の一つである「炭水化物」です。

炭水化物と聞いてとっさに頭に浮かぶのは、ご飯もの、パスタなどの麺類、パン類といった主食となる食品、さらにはいも類やスウィーツ類ではないでしょうか。

いずれも体内で消化・吸収されてエネルギー(カロリー)源となり、脳や体を動かして日々の生活を支えてくれるのですが、必要以上に摂りすぎると、余ったぶんは体内で脂肪として蓄えられてしまいます。

そのため「炭水化物はダイエットの敵」と考え、摂取を控えている方も多いのではないでしょうか。

ところが炭水化物には、エネルギー源になる「糖質」とは別に、消化・吸収されない状態で大腸に届き、便秘の予防や血糖値の上昇を抑制したり、血液中のコレステロール濃度を下げるなど、健康のために重要な働きをしてくれる「食物繊維」も含まれています。

つまり、炭水化物は、糖質と食物繊維の総称なのです。

炭水化物の摂取制限をしているときは食物繊維を多く摂取する

食物繊維は、多くの日本人に不足しがちな成分ですから、むしろ意識して摂取する必要があります。

特に便秘がちの方にとって食物繊維は、便通を整えるうえで必須の栄養素です。

さらに、コロナ禍にある今だからこそ、腸活、つまり腸内環境を整えることにより免疫力を強化するうえでも食物繊維が欠かせません。

ですから、たとえばダイエットなどを目的に「主食を抜く」「主食を減らす」などして炭水化物の摂取制限をしているときは、糖質含有量が少なく食物繊維が豊富な食品を選んで多く摂る必要があります。

この場合の食品としては、ひじきやわかめ、海苔、昆布といった海藻類、あるいは湯葉(ゆば)やひきわり納豆、きのこ類がおススメです。

切り干し大根、干しシイタ、高野豆腐といった乾物類にも、腸を刺激して便通を促す不溶性食物繊維が豊富に含まれています。

乾物料理は手がかかると思いがちですが、こちらで簡単な調理法を紹介していますので是非活用して便通をよくし、免疫力アップにつなげてはいかがでしょうか。

食べてやせるダイエットに「乾物」の活用を!!
保存食としてどこの家庭にもある「乾物」は、天日に干して乾燥することにより、うまみや香りだけでなく栄養価も増している。注目すべきは、健康的なダイエットに必須の栄養素である食物繊維が、生の状態に比べ大幅に増えていること。鉄分やカルシウム、ビタミンDも。

なお、れんこんやごぼうなどの根菜類にも食物繊維は多く含まれています。

ただし、これらの食材には糖質も比較的多く含まれていますから控えたほうがいいということになります。

同じ糖類でも肥満につながりやすいのはショ糖(砂糖)や果糖

炭水化物イコール糖質ではないこと、簡単に言えば、炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質だということがはっきりしましたが、そもそも糖質とはどんなものなのでしょうか。

糖質と聞くと、砂糖をはじめとする、いわゆるスウィーツのような甘い物が頭に浮かびがちです。加えて、ご飯ものやイモ類などに多く含まれている「でんぷん」も糖質の仲間です。

糖質のなかで、スウィーツのような菓子類に欠かせない砂糖(ショ糖)や果物類に主に含まれている「果糖(かとう)」、牛乳や乳製品に主に含まれている「乳糖*」、および「ブドウ糖」などは、まとめて「糖類」と呼ばれています。

いずれの糖類も「でんぷん」や「グリコーゲン」などの糖質とともに、心身ともに健康的な生活を送るうえで主要なエネルギー源です。

ところが、摂りすぎると、エネルギーとして消費されなかった糖質が体内で脂肪として蓄えられ、肥満につながりやすいことから、炭水化物制限、あるいは糖質制限ダイエットなるものが流行ったりするわけです。

ただし、肥満につながるリスクが高いとされる糖類は、清涼飲料水やスウィーツと呼ばれる菓子類に多く含まれる果糖やショ糖(砂糖)です。

したがって、同じ糖類でも、果糖やショ糖を摂りすぎないようにすれば、肥満の問題は避けることができるのではないでしょうか。

なお、炭水化物のなかには、消化・吸収されずに腸まで届くため食べても太らないレジスタントスターチと呼ばれる「難消化性でんぷん」もあります。詳しくはこちらを。

太りにくい主食「レジスタントスターチ」って?
多くの人を悩ます便秘の改善には「食物繊維」が欠かせない。この食物繊維には水溶性と不溶性に加え、第三の食物繊維、つまりレジスタントスターチがある。糖質の代表格であるでんぷんでありながら食物繊維の働きをして、腸活によりダイエットやメタボ予防に貢献してくれる。

ブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源

一方で、同じ糖類でも、ブドウ糖は少々異なります。

ブドウ糖は、脳がエネルギーとして利用できる唯一の栄養素なのです。

脳の働きをサポートする栄養素としてテレビCMなどを通じて一般によく知られているのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)、ARA(アラキドン酸)に代表される「オメガ脂肪酸」と呼ばれる必須脂肪酸です。

「脳にいいから」と、これらのサプリメントを毎日欠かさず飲んでいる方も少なくないようですが、こうしたサプリメントに多く含まれているDHAやEPA、ARAがしっかり脳に取り込まれて期待される効果を発揮するためには、その取り込みに必要なブドウ糖が欠かせません。

ブドウ糖を補給しないと脳がエネルギー不足に

このように脳が働くうえでブドウ糖は最も重要なエネルギー源なのですが、残念ながら、脳に蓄えておけるブドウ糖はごく少量に限られるという問題があります。

そのため、糖質制限ダイエットに挑戦しているようなときでも、あるいは「糖質ゼロ」や「糖質カット」の食品を好んで摂っている方も、意識してブドウ糖を常にコンスタントに補給してあげないと、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が下がり、脳がエネルギー不足から思うように働いてくれなくなってしまうのです。

脳が疲れる前にブドウ糖でエネルギーチャージ
「糖質オフダイエット」が流行っているが、糖質、とりわけ「ブドウ糖」は脳に唯一のエネルギー源だ。脳に備蓄できるブドウ糖量には限りがある。コンスタントにブドウ糖を補給しないと、脳の働きが落ち、集中力や思考力が低下してくる。果糖や砂糖は極力避けブドウ糖補給を。

その影響は集中力の低下や眠くなったりといったかたちで現れることになります。

そんなときは、コンビニやドラッグストアなどでも手軽に購入できる森永製菓 ラムネ大丸本舗 ぶどう糖がおススメです。

集中力アップにチョコレートをススメる方もいますが、チョコレートには砂糖(ショ糖)が使われていますから、ダイエット志向の方には不向きと言えるでしょう。

「太るもと」として敬遠されがちな糖質ですが、同じ糖質の仲間でありながら「オリゴ糖」は「健康にいいから」と注目されています。

オリゴ糖の何がいいのか、こちらでその理由を書いています。

同じ糖質でも「オリゴ糖」が体にいい理由は?
糖質なのに健康にいいと 注目を集める「オリゴ糖」 「オリゴ糖」が体にいいという話はよく耳にします。 先日、訪問…

なお、三大栄養素の「脂質」についてはこちらで詳しく書いています。是非一度読んでみてください。

脂質は量より質が大事、体にいい油と悪い油
三大栄養素の一つ「脂質」については、肥満予防には摂りすぎないようにと言われるが、脂質は量以上に「質」が大事という話をまとめた。脂質の質、つまり「体にいい油」と「悪い油」があるのは知られているが、具体的にどんな油が健康にいいのだろうか。