妊娠中も妊活中も新型コロナワクチン接種を!!

妊婦ニュースから
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厚労省が「妊婦のワクチン接種優先」の方針打ち出す

新型コロナワクチンの接種については、予防接種法により、「結核」や「麻疹(はしか)」などの予防接種同様に、16歳以上の国民は、原則として「接種を受けるように努力しなければならない」ことになっています。

妊娠している女性については、ワクチン接種を始めた当初、厚生労働省は、胎児や妊婦さん本人への影響に関する国内でのデータが不足していたことなどから、この「努力義務」の対象から外していました。

しかし、先週、千葉県柏市でコロナウイルスに感染した妊娠8カ月の妊婦さんの入院先が見つからず、自宅で出産した赤ちゃんが亡くなったというなんとも残念なニュースが流れました。

また、これまでにワクチン接種が胎児や妊婦さんに悪影響を及ぼしたという報告がないこと、
さらには特に妊娠後期に感染すると重症化しやすく、早産のリスクがあること、
などが指摘されるようにもなっています。

こうした事態から総合的に判断して、厚生労働省は8月25日、妊婦さんやその配偶者などがワクチン接種を希望した場合は、予約やキャンセル待ちを可能な範囲で優先して予約を受け付けることを求める通知を、全国の自治体に通知しています。

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妊娠中&妊娠を希望する女性に学会がメッセージ

これに先立ち、今年(2021年)1月27日、日本産婦人科感染症学会と日本産科婦人科学会は連名で、
「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する方へ」
というメッセージを学会の公式Webサイトにて公表。

5月12日には、その第2版を公表しています*¹。

その冒頭で、新型コロナワクチンについて、次のように説明しています。

  • およそ半年という極めて短時間にワクチン開発が行われたため、有効性や安全性に関する十分な臨床データの集積がない
  • 副反応として(メディア等が報道している)アナフラキシーを含むアレルギーの頻度は、ファイザー社製ワクチンで0.0011%(約10万人に1人)とされている
  • 治験の段階では注射部位の強い痛みが数日続くことや発赤(赤くなる)が報告されているものの、致命的な副反応は報告されていない

そのうえで、「妊婦さんに対しては十分な知見がなく」、
各国で以下のように見解が分かれていることを紹介しています。

  • アメリカのCDC(疾病対策センター)は、安全性に懸念はみられないとしたうえで、十分な情報を得た個人の選択であることを条件に、「妊婦への接種を強く推奨する」としている
  • 世界で最も速いスピードでワクチン接種が進むイスラエルでは、妊婦も積極的な接種対象としている
  • イギリスは当初、十分な臨床データがないことから、妊娠中のワクチン接種は推奨していないとしていた。その後、接種のリスクよりも感染のリスクが大きいことから、希望者には接種をためらうべきではないとしている
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妊娠中のワクチン接種は母児管理のできる産婦人科施設で

そこで、では国内の妊婦さんは新型コロナワクチン接種を受けるべきか否か、という話になります。

この点について日本産婦人科感染症学会および日本産科婦人科学会は、
「まずは産婦人科の主治医と接種するかしないかを十分相談する」ことを推奨。
さらに、以下を提言しています。

  1. 新型コロナワクチンは、現時点(2021年5月12日)で妊婦さんに対する安全性、特に中・長期的な副反応、胎児および生まれた赤ちゃんへの安全性についてはさらなる情報収集が必要だが、世界的に接種のメリットがリスクを上回ると考えられる
  2. 感染が拡大している現状を踏まえ、妊婦さんをワクチン接種の対象から除外することはしない
  3. ワクチン接種を受ける場合には、長期的な副反応は不明で、胎児や生まれた赤ちゃんへの安全性は確立していないことについてインフォームドコンセント、つまり十分な説明を受け、納得、同意したうえで接種を受けるようにする
  4. ワクチン接種を受けた後の30分間は、接種会場、もしく会場内の決められた場所に留まって経過を観察し、健康状態に異変がないことを確認したうえで帰路に着く
  5. 妊娠12週まで(胎児の器官形成期)は、ワクチン接種を避ける
  6. ワクチン接種は、母児管理のできる産婦人科施設等で受けるようにし、接種前と接種後に胎児エコー検査(超音波検査)などで胎児心拍の確認をしてもらう**
  7. 妊婦さんが感染を受けるリスクの高い医療従事者であったり、感染すると重症化するリスクが高い肥満や糖尿病などの基礎疾患*を合併している場合は、ワクチン接種を受けるかどうか慎重に検討する
  8. 妊婦さんのパートナーは、家庭での感染を防ぐために、ワクチン接種を受けることを検討する
  9. 妊娠を希望する女性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする
  10. 今回のワクチンは生ワクチンではない。つまり、ワクチンの中に生きたウイルスは入っていないため、接種後、長期間避妊する必要はない
*感染すると重症化するリスクが高い基礎疾患を合併している人としては、慢性の呼吸器疾患、高血圧を含む慢性の心疾患、慢性の腎臓病、慢性の肝臓病(脂肪肝、慢性肝炎は除く)、糖尿病、BMI(肥満指数)が30以上の肥満、免疫機能を低下させる治療を受けている、睡眠時無呼吸症候群などで通院または入院している人が該当する。
なお、BMIは体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}の計算式で割り出される。
**6月17日に日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が公表したメッセージ*²では、
「産婦人科施設以外で接種を受ける場合は、その前にかかりつけ医にワクチン接種の適否に関してご相談ください」となっている。

厚生労働省が新型コロナワクチンコールセンターを設置

すでにご承知のように、新型コロナワクチンを接種するかしないかは、妊婦さんを含む16歳以上の国民一人ひとりの意思に委ねられています。

この意思決定に活用してもらおうと、厚生労働省は2月15日から専用のコールセンターを設置しています。

接種を受けるワクチン関連情報や、優先接種の対象となる人、予想される副反応の種類や頻度など、さまざまな相談や問い合わせに無料で応じるとのことです。

厚生労働省新型コロナワクチンコールセンター
電話番号:0120-761-770
(午前9時~午後9時 土日・祝日も受け付け)
なお、妊娠中の健康については、下記の記事も参考にしてみてください。