手や指を動かす脳トレでコロナ疲れの脳を元気に

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外出自粛による不活発な生活で体も脳もコロナ疲れ

新型コロナウイルスの感染状況は、変異ウイルスの登場によりリバウンド(感染再拡大)の繰り返しで、マスクの着用や人との距離をとるなどの感染対策は緩和できる状況にありません。

外出を自粛して自宅に閉じこもる生活も、すでに1年余りになります。

新規感染者数がいっこうに減少傾向を見せない東京で暮らす私は、さらにこの先、最低でも2週間、場合によってはさらにその先も閉じこもる生活が続くことになるかもしれません。

感染を防ぐためとはいえ、閉じこもりによる不活発な生活がこれだけ長く続くと、どうしても体がなまる、つまり体力が落ちてくるものです。

併せて脳もかなり疲れ、働きがやや鈍くなってくることが気になります。

その先にあるのは、「うっかり」や「物忘れ」が多くなってくること、そして認知症です。

こうしたことは、高齢者だけの問題ではありません。
40、50と歳を重ねるにつれ、程度や頻度に差はあるものの、誰もに起こりうることではないでしょうか。

そんなことを考えていて、ハタと思い出したことがあります。
「手を動かすことが脳を動かすこと、つまり脳トレになる」という話です。

今日はそのことを書いてみたいと思います。

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「手や指を動かす」ことが脳トレになり、脳を元気に

ずいぶん前になりますが、認知症の専門医を取材したときのことです。
挨拶もそこそこに、いきなりこう尋ねられたのです。

「あなたはカントという哲学者をご存知ですよね」

まったくの想定外だった質問に、
「はい、名前と、ドイツの著名な哲学者だということぐらいは知っていますが……」

そう答えながら、何を聞かれるんだろかとドキドキしていると、
その医師は、私の心中を読みとったのか、にこにこしながら、こんな話をしてくれたのです。

「この哲学者がとてもユニークなことを言っていましてね。手は外部の脳である、と――。
つまり、手は脳の出張所だというわけです。認知症の予防を考えるうえで、これほど的を得た言葉はないと、僕は思っていましてね」

一息つくと、さらにこう続いたのです。

「要するに、手や指を動かすことは脳を動かすことになる。つまり脳トレですから、脳内の血流をアップさせることになるわけです」

この説明に、「なるほど」と合点し、緊張が解けた私でした。

利き手の逆手でする「ぬり絵」が脳を活性化

ステイホームで自宅でじっとしている生活を続けていると、どうしても社会との接触が減りますから、外部からの刺激が少ない生活になります。

結果として、脳もあまり使わなくなります。

そこで、カントが言うところの「外部の脳」である手や指をよく動かして、脳細胞の動きを活性化させ、脳への血流量を高めてあげれば、脳の疲労回復、さらには認知症の予防*につながるというわけです。

手や指を動かしつつ頭も使う活動はいろいろあります。
女性の方なら、まず頭に浮かぶのは日々の料理、クッキングでしょうか。

この料理も、既定のレシピ通りに、流れ作業的にやるのでは脳の活性化にはつながりません。

いつもとは違う食材を使ってみたり、味付けをちょっと変えて見たり、盛りつけも……と、自分なりにあれこれ考え、工夫したオリジナルの一品に、日々挑戦してみるといいでしょう。

さらに効果的な方法、つまり頭を使って手や指を動かす知的な脳トレとして最近注目されていることの1つに、「大人のぬり絵」があります。

しかもこのぬり絵を、普段使い慣れている利き手ではなく、使い慣れていない側の手で色鉛筆などを持って塗るほうが、脳細胞への刺激はより強く、したがって脳細胞はより活発に働き、脳の血流アップに資することが、実験により確認されています。

詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
→ 認知症予防に効き手と反対の手による塗り絵を

*認知症には、脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2タイプがある。
このうち、「手や指をよく動かす」という個人の日々の努力が予防につながるのは、主に前者のタイプ脳血管性認知症と考えられている。

指先や手のひらへの刺激が脳細胞に伝わり脳トレに

もう1点、脳細胞が活性化されて脳が本来の機能を発揮し、集中力や判断力が高まる脳トレとして、40代から50代のプレシニア世代と呼ばれるビジネスパーソンを中心に注目を集めているアイテムがあります。

表情筋トレーニングなどの美容機器や健康グッズで有名なMTG社のアクティブ ブレインです。

たとえば脳卒中の後遺症などで麻痺した手や指の感覚を取り戻そうと、クルミを手のひらで握ったり、手中で動かしたりするトレーニングがリハビリテーションとして行われることがあります。

クルミに替わるものとして、樹脂で作られた磁石入りのハイパークルミも市販されています。

今回おススメするアクティブブレインは、このハイパークルミをさらに進化させたものと考えていただけたらいいと思います。

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ステンレスやゴムで作られた球体状のアクティブブレインを手のひらに載せ、リズミカルに握ったり、手を開いたり、強くつかんだりを繰り返します。

この動きによる手のひらや指先への刺激が脳に伝わり、脳内の血流量がアップして脳の疲れが和らぎ、脳細胞の働きが活発化するというメカニズムです。

さらにこの球体には、全面にトータル32個のボタンが並んでいます。
このボタンを指先で押すと、押されたボタンが少し傾きながらへこみ、回転する仕組みになっています。

このときのボタンを回転させようとする指先の動きが、脳にさらなる刺激を与え、脳活効果がアップして、疲れていた脳が元気を取り戻すというわけです。

なお、脳にとって唯一のエネルギー源は「ブドウ糖」です。
脳を疲れさせないためには、適宜ブドウ糖を補給することをお忘れなく。

脳とブドウ糖の関係、糖質の種類とブドウ糖などについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひ一度読んで、お役に立てていただけたら嬉しいです。

→ 脳が疲れる前にブドウ糖でエネルギーチャージ

80の手習いとして始めたピアノも脳トレに

手や指先を動かしながら頭を使う脳トレとしては、「ピアノを弾く」のもおススメです。

80歳を優に過ぎた大先輩が、突然ピアノを習い始めたのも、家にこもる生活が続き、「ついうっかり」や「ちょっとした物忘れ」が多くなり出したのがきっかけだったそうです。

ご自宅に、お孫さんのために購入したピアノがあったのが幸いだったようです。

ピアノの前に坐り、老眼鏡で楽譜を見ながらレッスンに励む先輩の姿は、カントの「手は外部の脳である」説の実践そのもので、ちょっと感動させられたものです。

ピアノはどの家庭にもあるわけではありません。

普通のピアノよりかなりコンパクトな電子ピアノやさらにコンパクトで携帯可能な電子キーボードもありますが、騒音対策も必要でしょうから、コロナ禍の今すぐ、新たに始めるのは難しいかもしれません……。

自分の好きな、楽しめることを日課に

なお、認知症の診断および予防の第一人者として知られる浦上克哉(うらかみ かつや)医師(鳥取大学医学部・教授)が理事長を務める「日本認知症予防学会」は、コロナ禍の現在、感染対策と併行して認知症予防のために心がけたいこととして、以下の3点をあげています*¹。

  1. 1日30分以上の体を動かす運動や体操を行いましょう
    ・3密(密集、密接、密閉)を避けた環境で
    ・できれば屋外で、散歩などの運動*を行う
    ・屋内でもスクワット**など、特に筋肉量の多い太ももやふくらはぎの筋力アップ運動を行う
  2. 自分の好きな、楽しめることを日課にしましょう
    ・頭を使って指を動かす知的活動が理想的
    ・ぬり絵、パズル、短歌や俳句、川柳などを作る、歌を歌う、ピアノ演奏など
  3. 家族や友人との会話を楽しみましょう
    ・感染対策上対面での会話は制限されるが、電話等の通信機器をフルに活用し、コロナ禍以前より頻繁に家族や友人とのおしゃべりを
    ・通信機器としては、ビデオ通話など、お互いの顔が見える機器が望ましい
    ・対面で会話する際はフィジカルディスタンス(身体的距離)を1.5~2m保つ
*散歩などの運動については、ウォーキングなどの有酸素運動に脳の活性化を促す効果があることが研究により確認されている。詳しくはこちらを。
→ ウォーキングやジョギングは脳機能も高める!!
**スクワットとは、①両足を肩幅程度に広げて直立した姿勢をとり、②ゆっくりと膝を曲げて腰を落とし、③その状態を5秒間ほど保持してから、④ゆっくり膝を伸ばして立ち上がる、⑤この運動を一度に10回ほど繰り返す運動をいう。