「新米」の季節、お米にまつわる疑問のあれこれ

白米食と健康

「新米」の表示にはルールがあります

10月に入り、スーパーマーケットやお米屋さん、さらにはコンビニにも「新米(しんまい)」と表示された米袋が並ぶようになりました。

この「新米」という言葉ですが、これまであまり気にすることなく使ってきました。

ところが先日、友人とのおしゃべりのなかで、
「新米って、収穫してからどのくらいの期間のお米のことを言うのかしら」
といった話になつたのです。

わからないことがあったらすぐに調べてはっきりさせないと落ち着きません。
で、調べてみました。

農林水産省のWebサイト*¹には、こう記してあります。
「新米表示はとれた年の12月31日までに袋詰めされたものだけが表示できます」

これはJAS法と言って、国内の市場に出回る食品や農林水産品の品質および仕様を一定の水準に揃えるための基準を示した法律(日本農林規格等に関する法律)に基づくルールです。

ただし、ここで定められている期間が過ぎるとすぐに「古米(こまい)」になるわけでありません。
一般に、収穫から1年以上経ったものが「古米」として扱われているようです。

では、新米と古米は具体的にどう違うのかということが疑問としてあがってきます。

ということで、今回は、毎日の食事で何気なく口にしているエネルギー源としてのお米にまつわる疑問のいくつかをクリアしてみたいと思います。

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米袋の「産年」表記を見れば「新米」か「古米」か見分けられる

スーパーなどの店頭に並んでいるお米が新米なのか古米なのかは、米袋(パッケージ)に必ず明記してある表示から簡単に見分けることができます。

最近はネットからもお米を購入できますが、その際も、パッケージの表示が拡大して提示されているはずですから、新米か古米かの見分けは簡単にできます。

この表示には、お米の「名称」「原料玄米」「内容量」「精米年月日」「販売者」を明記することが食品表示法および食品表示基準によって義務づけられています。

お米の「名称」には、「玄米(もみからもみ殻だけを取り除いたもの)」「もち精米(もち米の玄米のヌカ層を取り除いたもの)」「うるち精米(もち精米以外の玄米の精米)」「胚芽精米(胚芽がとれないように精白されたお米)」の4種類があります。

普通私たちが食べている白米は、うるち精米です。

「原料玄米」とは、お米の袋に入っている製品の原料として使用されている玄米のことです。
この原料玄米については、JAS法により以下を表記することが求められていますから、
「産年」を見れば、新米か古米かがすぐにわかります。

  • 産地 → 単一原料米(産地・品種・産年が同一の原料玄米) 〇〇県
  • 品種 → コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、あきたこまち、等
  • 産年 → 収穫した年を「〇〇年度」で記す

ブレンド米の「産年」からは「新米」か否かは見分けがつきにくい

なお、お米には単一原料米以外に、品質や味などを考慮して複数の品種・産地のお米を混ぜて製造した「複数原料米」、いわゆる「ブレンド米」(「混合米」とも呼ばれる)があります。

このブレンド米については、上記のような表示項目に加え、ブレンドしたお米それぞれについて「産地」「品種」「産年」を明記するとともに、そのブレンドの割合も、
「A品種 6割」「B品種 4割」といった具合に表示することが義務づけられています。

ただしブレンド米に表記されている「産年」はブレンドして袋詰めした年度ですから、新米か古米かの区別はつきにくいと言っていいでしょう。

ブレンド米には、「価格が安い」「品種の組み合わせによってはよりおいしいお米になっている」「年間を通して同じお米を入手できる(旬に左右されない)」などのメリットがあります。

その反面、「まずい」「ニオイが気になる」「つやがない」などのデメリットが指摘されていて、農林水産省の調査によれば、日本人が購入するお米は「単一銘柄米(産地・品種・年産が単一のもの)」が圧倒的に多く、「ブレンド米」は約7%と、全体の1割にも満たないそうです。

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新米、古米の別なくご飯の味はお米のとぎ方次第

「新米」には水分が多いぶんだけみずみずしさがあるのが特徴です。
また、炊き上がったときの際立つような白さや香りの高さ、粘りのよさも新米独特のものです。

炊いたご飯の香りは、お米の収穫から時間が経つにつれて減っていき、同じ新米でも、収穫から半年を過ぎる頃にはほとんど香りがなくなってしまいます。

そのため「古米」は新米に比べ、無味乾燥、つまり乾燥していて香りも少なくなっています。
また、保存状況によっては、カビが発生して味が落ちていることもあります。

新米、古米の別なく、上手なご飯の炊き方については、
「同じお米でもとぎ方ひとつでご飯の味が変わってくるからていねいにとぐのよ」
と、亡き母からよく言われたものです。

最近は、家庭では電気炊飯器を使いますから、炊飯器の癖みたいなものに味が微妙に左右されますが、それでも炊飯器に入れる前のお米の扱い方次第で味はずいぶん違ってくるようです。

といだお米をざるに開け、20~30分水を切ってから炊く

その方法ですが、お米をボールに入れて水を注ぎ、軽く混ぜてから、一度サッと水を流し、そのうえでお米をといで、表面に残っている粘着性の高い肌ヌカを取り除きます。

母に教わったこのとぎ方は、左手(利き手と逆の手)でボールを支え、右手(利き手)でお米を手前に引き寄せて軽く握ってから押し出すことをリズミカルに繰り返し、手早く全体をといだら水を静かに注ぎ、軽く混ぜてからとぎ汁を捨てる、といったことを2~3回手早く繰り返します。

とぎ汁の白濁が気にならなくなったら、目の細かいざるにあけて水を切り、20~30分そのまま置いて水気を一度しっかり切ってから炊飯器の内釜に入れます。

炊飯器にはお米の量に合わせた水の目安量が記してありますが、お米と同量の水を入れて炊くと、お米がよく水分を吸って、ふっくらと炊き上がります。

人によっては、お湯でお米をといだり、泡だて器などで混ぜたりするようですが、いずれもお米にとってよくありませんからおススメできません。

なお、最近ダイエット志向の方に人気と聞く「糖質カット炊飯器」についてはこちらを読んでみてください。
→ 「糖質カット炊飯器」で本当に痩せられるの?

また、「ご飯は好きだけど、太るから……」と制限している方は少なくないと思いますが、炊きたての熱々のご飯ではなく、冷ましてから食べると、レジスタントスターチの効果によりカロリーを制限できるという話をこちらで書いています。是非ご一読を!!
→ 今大注目の「レジスタントスターチ」って?

気になる無洗米のメリットは?

最近は「無洗米」が普及しています。
その普及率は、農林水産省の統計では、お米の消費量の20%弱とのこと――。

無洗米とは、今までとぎ洗いして取り除いていた肌ヌカをほぼ完全に取り切ったお米ですから、お米を炊く前にとぎ洗いも水洗いもする必要がないことから、以下のメリットがあるとされています*²。

  1. 調理時間が短縮できる
  2. 水の使用量や排水を低減できる
  3. とぎ洗いによる栄養価(水溶性ビタミンやミネラルなど)の流失が低減できる

このメリットの「3」については、
「無洗米は普通の精米した白米と比べ栄養価は違うのだろうか」といったことがよく話題になります。

この点については、お米の主成分である炭水化物(糖質)やたんぱく質は普通の白米とまったく変わりがなく、水溶性ビタミンのB1やナイアシンなどが普通の白米の約1.8倍多く含まれているのですが、1日の所要量からするとごくわずかであり、「栄養価が高い」とは必ずしも言えないようです。

なお、無洗米を炊く際には、炊く前に冬場は約1時間、夏場なら約30分水に漬け、お米にしっかり水を吸わせてから炊き上げると、ふっくらとおいしく炊きあがるそうです。

参考資料*¹:農林水産省「表示のポイント」

参考資料*²:農林水産省「無洗米を上手に炊く方法も教えてください」