「糖質オフ」飲料に人工甘味料の落とし穴!?

ドリンク食と健康

「糖質オフ」でも甘いのは人工甘味料が入っているから

「糖質オフ」や「糖質ゼロ」を売りにしているスポーツドリンクなどの飲み物が多数出回っています。

いずれも「糖質をカットしてあるためカロリーがゼロで太りにくいのに、飲んでみると甘い」
ことが受け、「甘党だけどカロリーを抑えたい」方を中心に人気が高まっているようです。

砂糖などの糖質が入っていないのに甘いのは、人工甘味料(かんみりょう)が入っているからです。
しかし、実はこの人工甘味料に大きな落とし穴があるのです。

日本人の健康寿命*を延ばすために必要な予防行動や習慣について、国内6つの高度専門医療研究センターがまとめた提言*¹が2月19日に公開されています。

そのなかでも、確たるエビデンス(科学的根拠)とともに、砂糖や人工甘味料が添付された「甘味飲料」は控えるように呼びかけています。

なぜ控えた方がいいのでしょうか。
その理由、つまり人工甘味料の落とし穴について、今日は調べたことをまとめておきたいと思います。

*健康寿命とは、単なる寿命とは違い、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく、介護を必要としないで自立した生活ができる期間」のこと。

砂糖や人工甘味料の摂取で2型糖尿病のリスクが高まる

健康長寿を延ばすため、つまり健康で長生きするために役立つとして広く一般に推奨されている食事や運動などに関する予防行動や習慣は無数にあります。

先の提言では、そのなかから、疫学調査や研究などによりすでにエビデンス(科学的根拠)が確認されたものだけを取り上げ、これを積極的に日々の生活に取り入れていくことを推奨しています。

砂糖や人工甘味料が使われている「甘味飲料」については、
「甘味飲料の摂取により2型糖尿病*の発症リスクが高まる」とのエビデンスを紹介しています。

このリスクは、甘味飲料を多く摂る女性において高くなること、また甘味飲料をほぼ毎日飲んでいる女性は、脳梗塞の発症リスクも増加する報告があると記されています。

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人工甘味料の過剰摂取は男女とも妊娠力に影響が

さらに妊娠に関係して、以下2つのエビデンスが紹介されています。

  • 妊娠を予定している男女を対象にした研究で、甘味飲料の摂取量が多いほど妊孕性(にんようせい)といって、「妊娠するための力」が低下する、つまり女性は妊娠しにくくなり、男性は妊娠させにくくなる
  • 妊婦を対象にした研究で、妊娠中の甘味料の摂取量が多いほど生まれてきた子どもが小児期の肥満になるリスクを増加させる
*糖尿病には1型と2型の二つのタイプがある。治療にインスリン注射が必須の「インスリン依存型」と、治療に必ずしもインスリンを必要としない「インスリン非依存型」で、前者が1型糖尿病、後者が2型糖尿病。日本人の場合、1型は非常に少なく、全糖尿病患者のほぼ90%が2型で、食事制限や運動療法が治療の中心となる。

人工甘味料は超加工食品にも使われている

人工甘味料を使っている食品は、飲み物だけではありません。

加工食品、とりわけ「超加工食品(ウルトラ加工食品)」と呼ばれる食品にも人工甘味料が使われています。

「超加工食品」とは、塩やお酢、オイルなどとは別の、一般家庭の調理では普通は使われないような食品添加物、たとえば香料や着色料、乳化剤、防腐剤、人工甘味料を多く使用し、産業用に工場などで大量生産されている加工度の高い食品のことをいいます。

シリアル、袋詰めされたパンや焼き菓子、スナック菓子類、アイスクリーム、チョコレート、ピザやパスタなど温めるだけでいい製品、ナゲットやソーセージ、ハンバーグなどの再構成肉、インスタントの麺類、即席スープ類は、いずれも超加工食品です。

すでにお気づきのことと思いますが、コンビニに置かれていて、その手軽さからつい便利に利用している食品の多くは、超加工食品と考えていいでしょう。

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このところメタボや肥満予防などのために糖質オフダイエットが注目されていますが、「糖質オフ」や「糖質ゼロ」のコーラやビールのような飲料はもとより、人工甘味料が添加されている超加工食品も、食べ過ぎや飲み過ぎに注意が必要な食品です。

同時に、超加工食品を利用するときは、栄養バランスを考え、超加工食品だけで1食を済ませるのではなく、素材そのままの新鮮な野菜などと組み合わせて摂るようにしたいものです。

「超加工食品でがんリスク増加」情報の真偽は?
フランスから届いた「超加工食品はがんリスクを増加させる」との健康情報は、日本においてもそのまま当てはまるのか。調べてみると食品添加物に厳しい規制があるわが国では、「食べない」とするよりも食塩と栄養バランに配慮しつつ上手に活用するのがいいようだ。

日本で認可されている人工甘味料は6種類

ところで、肝心の人工甘味料ですが、日本で使用できるのは、安全性と有効性がエビデンスとして確認され、厚生労働大臣が使用を認可した以下の6種類だけです。

  • サッカリン
  • アスパルテーム
  • アセスルファムカリウム
  • スクラロース
  • ネオテーム
  • アドバンテーム

人工甘味料はその他の食品添加物同様、品目ごとに使用基準があります。

一生涯にわたり毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される「1日摂取許容量」が決められていて、その量を超えることがないよう、使用できる量や使用方法、使用できる食品などが厳しく定められているのです。

早い話が、通常の食事から人工甘味料を摂っているぶんには、健康にマイナスの影響が及ばないように、食品衛生法によりリスク管理されているわけです。

しかし、これは人工甘味料を使用している食品に限らずどんな食品にも言えることですが、摂りすぎれば健康にマイナスの影響が出る可能性は否定できません。

人工甘味料に替えて麹(こうじ)の甘さを

人工甘味料は、天然甘味料である砂糖と比較すると、甘さがサッカリンは300倍、アスパルテームとアセスルファムカリウムはそれぞれ200倍、スクラロースが600倍で、ネオテームは1万倍、アドバンテームに至っては2万倍あります。

このように人工甘味料はごく少量で砂糖の甘さを味わうことができるため、つい使い過ぎてしまいがちです。
この使い過ぎを防ごうと、砂糖の代わりに、むしろ麹(こうじ)を使うことを勧める医師が少なくありません。

日本の伝統的な甘味飲料の一つである甘酒(あまざけ)は、米麹(こめこうじ)を主原料にしています。
麹は天然の菌がつくった発酵食品です。

腸活に働き、免疫力アップにもつながることは改めて言及するまでもないでしょう。

砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』という本でも参考に、一度試してみてはいかがでしょうか。

参考資料*¹:国立高度専門医療研究センター6機関の連携による「疾患横断的エビデンスに基づく健康寿命延伸のための提言(第一次)」