高校生の性の悩みに答える「つながるBOOK」

つなぐニュースから

「#つながるBOOK」で性に関する正しい情報を高校生に

コロナ禍により全国一斉に休校になった昨年(2020年)の春から夏にかけ、高校生を中心に妊娠不安による電話相談が増加したというニュースが飛び交いました。

実際のところはどうなのだろうか――。

この答えを求め、日頃から高校生など思春期にある子どもたちから電話相談を受けたり、学校に出向いて性教育を行っている産婦人科医や助産師、養護教諭などのグループが、国の研究事業としてコロナ禍での妊娠・中絶・家庭内暴力などの実態調査*¹を行っています。

併せて、この研究の一環として、研究を進めるなかでわかってきたことを反映するかたちで、性の悩みや不安を抱える高校生たちに正しい情報を知って安心してもらいたいと、
性に関する知識をまとめたハンドブック、「#つながるBOOK」を作成しています。

「#つながるBOOK」のタイトルには、恋愛とか性行為に関することで1人で悩みを抱えたときに、誰でもいいから、誰かに「つながって」ほしいという想いが込められているそうです。

その名の通り、高校生一人ひとりに手渡せるブックレットとして配布したいと作成されたものですが、
今年(2021年)5月にはインターネットでも公開されています。

公式サイト*²から誰でもWEB版を閲覧できるほか、pdf版を無料でダウンロードできますが、ここではそのアウトラインを紹介しておきたいと思います。

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「月経がこない」に「#つながるBOOK」のアドバイスは?

「#つながるBOOK」は5つのカテゴリー、
「恋愛編」「SEX編」「月経編」「妊娠編」「性感染症(STI)編」で構成されています。

カテゴリーごとに一人で悩みがちなテーマがあげられ、考え方のアドバイスに加え、
いざというときに匿名で相談できる窓口の連絡先や、より詳しい情報へのアクセスも紹介されています。

「#つながるBOOK」の冒頭(p3-4)には、導入編として、
「あなたのまわりで、こんなこと、ありませんか?」と、以下5つのトピックスがあげられていて「妊娠編」あるいは「SEX編」など、該当するカテゴリーに読み進めていけるように工夫されています。

  1. 月経の予定日から1カ月たっても月経がこない。これって妊娠?
  2. 部活もなくて暇なので、SNSで知り合った人と会ってすぐSEXしてしまった。
  3. ゲームして、セルフプレジャー*して……の日々。このままで大丈夫か不安です。
  4. デートのたびにSEXしている。ちゃんと避妊していません。
  5. 性器のあたりがかゆい……。性病にかかってないか心配です。
*「セルフプレジャー」とは自慰(じい)行為、マスターベーション、オナニーのことをいう。

「#つながるBOOK」が伝える意思表示の大切さ

このうち、たとえば「2」のトピック、
「部活もなくて暇なので、SNSで知り合った人と会ってすぐSEXしてしまった」
については、性行為の悩みに答える「SEX編」と「性感染症編」「避妊編」「妊娠編」へと読み進めるよう誘導しています。

このうち「SEX編」を見てみると、次の疑問に答えるかたちで、つき合っている相手とのSEXについて、まわりのからのプレッシャーに振り回されず、自分のペースで考えることや「YES」か「NO」か「保留」なのか、意思表示をはっきりさせることの大切さを呼びかけています。

▪つきあったらSEXしなくちゃいけないの?
▪どちらかが「イヤ」なとき、「イヤ」なことはしない!
▪確実に避妊できる方法ってある?
▪避妊に失敗してしまった! どうしよう……
▪カップル間でもおこる性暴力
▪セルフプレジャー毎日やってもいいですか?

「#つながるBOOK」は妊娠の確認方法も紹介

また「妊娠編」では、「妊娠したかどうか確かめる」方法として、
「自分でチェックしたい派」なら「妊娠検査薬でCHECKしてみよう」としたうえで、妊娠検査薬はドラッグストアなどで500~1000円で買うことができることも紹介――。

そのうえで、検査の結果が「陽性」なら妊娠の可能性が高いので、すぐに産婦人科を受診すること、
また、自分で判断できないときは、「妊娠SOS」にも相談できるとして、
全国の妊娠SOSネットワーク「妊娠に関する相談にのってくれる相談機関」を紹介しています。

さらに、もし「産む」と決めた場合に備え、「母子手帳はどこでもらえるのか」「出産費用のための助成制度」などに加え、「妊娠したことを理由に学校をあきらめる必要はない」ことも説明しています。

なお、毎月の月経については、始まる3~10日前になるとイライラしたり頭痛がするといった「月経前症候群」、いわゆるPMSに悩まされる女性も少なくないと思います。

この月経前症候群に関してはこちらの記事も参考にしていただけると思います。
→ 月経前症候群(PMS)と基礎体温管理アプリ

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こんなときは性感染症を疑って速やかに受診を

「性病」としても知られる「性感染症」とは、SEXで感染する病気の総称で、エイズ(HIV)や性器クラミジア感染症、性器カンジダ症、トリコモナス症、梅毒などがその代表です。

性感染症はいにしえの時代から、男性や性風俗に従事する一部の女性に限られた病気とみなされがちです。

しかし、自分はそんな所には出入りしていないからといった油断は禁物です。
通常の感染症同様、性別や職業、年齢にはいっさい関係なく誰もがかかりうる病気であることをしっかり認識しておく必要があるでしょう。

特にこのところの性感染症感染者は、10代後半から20代前半の若い女性に目立って増えていることから、性感染症という病気を他人事で終わらせないようにしたいものです。

「#つながるBOOK」の「性感染症編」では、SEXをして「痛い」「かゆい」「しみる」「イボイボ」「ゴリゴリ」「血が出る」「うみが出る」「変なにおいがする」といった症状が口やのど・性器・肛門にあるときは、速やかに産婦人科、泌尿器科、皮膚科を受診するよう促しています。

なお、感染していても症状がすぐには出ない性感染症もあります。

保健所なら無料のうえ匿名で検査や相談ができますから、心配なときはできるだけパートナーと一緒に検査を受けてみるよう呼びかけています。

参考資料*¹:令和2年度厚生労働科学研究事業「新型コロナウイルス感染症流行下の自粛の影響~予期せぬ妊娠に関する実態調査と女性の健康に対する適切な支援提供体制構築のための研究」

参考資料*²:#つながるBOOK