電子レンジによる火災を防ぐために守りたいこと

電子レンジニュースから

電子レンジを使用中に庫内で発火、爆発、火災に

昨日未明(2021年9月9日)、北海道・北見市のアパートの2階で火事があり、その部屋の親子とみられる住人2人が死亡したとのニュースが流れました。

火事が出る直前、住人と思しき女性から、消防に、
「電子レンジを使用していたら爆発し、火事になった」
との通報があったとのこと――。

火事の詳しい原因や被害状況はまだわかっていないようですが、
「電子レンジが爆発して出火した」
との報は、電子レンジの有効利用をススメル記事を書いたことがあるだけに、
いささかショックでした。

これまでにも、電子レンジが爆発したとか、電子レンジが出火原因の火事で死傷者が……、といったニュースが流れたことが何度かありました。

そこで、火を直接使わない電子レンジで発火、発煙、爆発といったトラブルはどのよう状況で起こるのか、
予防するにはどのような点に注意すべきなのかについて、急遽調べてみましたので、要点をしぼってまとめておきたいと思います。

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電子レンジ火災の半分は加熱し過ぎが原因

チェックしたのは、東京消防庁のホームページです。
そこには「火災に注意! 電子レンジを安全に使用しましょう」というコーナー*¹が設けられています。

ます「火災の実態」として、電子レンジ火災はこのところ増加傾向にあるとしたうえで、
⑴ 食品の加熱しすぎ(必要以上に長い時間温める)
⑵ 調理不可の包装(冷凍食品でアルミを使った食材で包装したもの)の加熱
といった、電子レンジを誤って使用したために火災が発生していると記してあります。

このうち⑴の食品の加熱しすぎ、つまり冷凍食品などのパッケージに明記してある「調理時間」を超えて加熱したことによって起こる火災は、電子レンジの庫内で発生した火災の約5割を占めているそうです。

「電子レンジで加熱しないでください」の注意書きを見落として

また、冷凍食品などのパッケージには、「ご注意!!」と銘打って、
「外袋ごと電子レンジで加熱しないでください。破裂する恐れがります」
などと明記してあります。

この注意事項を見落とすか、あるいは読み間違えるなどして、⑵にあるように、調理不可の包装を誤って加熱したことにより庫内で火花が発生し、火災になった事例も少なからずあったようです。

アルミホイルはもちろん、アルミなどの金属が使われている容器やレトルト食品の袋、内側にアルミなどの金属が貼られた冷凍食品の外袋は、いずれも電子レンジで使われる電磁波*によりスパーク(電気が流れること、放電)が発生し、火災につながる危険があります。

*電子レンジは、マイクロ波と呼ばれる電磁波により食品中の水分子を振動させ、このとき発生する熱により加熱する仕組みになっている。

電子レンジで加熱しすぎると発火しやすい食品も

もう一点、電子レンジ火災の意外な原因として、
「さつま芋」や「中華まん」といった電子レンジで調理する機会が多い食品が紹介されています。

東京消防庁の消防技術安全所は2016年度に実施した電子レンジ火災の再現実験で、さつま芋や中華まんなどを電子レンジで5分から12分間加熱すると、爆発的に燃焼することを確認したと報告しています。

さつま芋や中華まんに限らないのですが、水分の少ない食品を長時間加熱すると食品中の水分が蒸発して一気に炭化(炭のように真っ黒に焦げる)が進行し、可燃性のガスが発生するのだそうです。

この可燃性ガスが電子レンジの庫内に充満した際に、食品の炭化した部分が帯電してスパークを起こし、可燃性ガスに引火して、爆発、燃焼するというメカニズムです。

同様の現象は、フライヤコロッケ、てんぷらといった油脂分の多い食品やレトルト食品、コンビニの容器入り総菜などでも起こり得ます。

これら容器入りの食品には、パッケージのフィルムの左下部分に斜めに点線が表示してあり、その部分を剥がしてから電子レンジで加熱するよう明記してあります。

剥がすことを忘れて電子レンジで加熱すると、一気に食品の炭化が進み、煙や火が発生して火災につながる危険があります。

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電子レンジ火災を防ぐには庫内の掃除も忘れずに

以上の点を踏まえ、「電子レンジ火災を防ぐ普段の心得」として、
東京消防庁は以下の4項目をあげています。

  • さつま芋や中華まんなど水分の少ない食品は、長時間加熱すると爆発的に燃焼する危険性がある
    加熱時間を長めに設定せず、取扱説明書等で確認する
  • 電子レンジで調理中はその場を離れず、庫内の食品の様子を見ながら加熱する
  • 普段から電子レンジの周囲には、可燃物を置かないようにする
  • 冷凍食品などは、パッケージの表示を確認してから、指示に従って加熱する

その他、電子レンジの庫内に調理済み食品の汚れや焦げつきがこびりついていると、正しい使い方をしていても、汚れが炭化して帯電し、スパークを起こして発火する危険性があります。

電子レンジの庫内や扉の内側は常に掃除しておくことが大切です。

汚れがこびりついている場合は、水をたっぷり含ませた布巾(ふきん)を入れて2~3分(500Wの場合)加熱し、庫内を蒸気で温めてから30分ほどそのまま放置したうえで掃除すると、こびりついた汚れも楽に拭き取ることができます。

あまり汚れにひどいときは、重曹水を含ませた布で拭くといいようですが、むしろそこまで汚れなようこまめに庫内の掃除を行うことをおススメします。

電子レンジ使用中に煙や火が出たらすぐに電源を切る

電子レンジ使用中に万一煙や火が出たときの対応策として、東京消防庁は以下を呼びかけています。

  • 電子レンジの扉を開けずに電源を遮断する
  • 扉を閉めたまま、慌てずに庫内の様子を見る
  • 庫内の火が消えないようなら、扉を閉めたまま、消火器*などの消火器具を準備する
  • 火災が発生したときは、119番通報をする
*消火器は小型の軽量で、いざというときに女性でも楽々扱えるものを用意しておくといいでしょう。
たとえば、クマさん消火器 住宅用 強化液消火器 蓄圧式などがあります。

電子レンジは正しく、上手に使えば時短料理に

なお、電子レンジは上手に使えば時短料理になりますからとても便利です。

「体に悪いから」と電子レンジを嫌う方が少なくないのですが、正しく使えばその心配はないという話をこちらで書いていますので、併せて読んでみてください。
→ 電子レンジは正しく使えば健康被害の心配はない

参考資料*¹:東京消防庁「火災に注意! 電子レンジを安全に使用しましょう!」