人に言えないお尻の悩み!自分でできる対処法

デスクワーク体調が悪い?
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立ちっぱなし、坐りっぱなしが招くお尻の悩み

お尻の悩み、つまり肛門のトラブルは、なかなか人に相談できず、病院を受診するのも躊躇しがちです。

このお尻の悩みには、いろいろなタイプがありますが、一般に、次の三つに大別されます。

  • 痛みはない代わりに出血する「痔核(じかく)」、いわゆる「イボ痔」
  • 排便時に無理にいきんでピリッと避ける「裂肛(れっこう」、いわゆる「切れ痔」
  • 肛門に炎症を起こして膿(う)んで穴があく「痔瘻(じろう)」、いわゆる「あな痔」

3年ほど前に「直腸肛門クリニック」の消化器外科医を取材したときの話では、男女ともに最も多いのは、「痔核」で、お尻のトラブルのほぼ半数を占めているそうです。

この痔核で受診してくる患者さんの職業には特徴があり、医療や介護職、あるいは警備員など、1日中立ったままの姿勢で仕事をしている人、逆にタクシーや長距離輸送トラックの運転手さんのように坐りっぱなしの仕事に就いている人にも、痔核がよく見られるとのこと――。

さらに続けて、「最近は、IT関連の仕事や編集とか物書きなどでほぼ終日座りっぱなしでパソコンに向かっているような職業の方にも多い」と聞いたときは、デスクワークの多い自分のことを言われているようで、一瞬ヒヤッとしたものです。

いずれにしても、排便するときや排便した後などに「えっ、痔かしら?」などと異変を感じるようなことがあったら、安心のためにも迷わず医療機関を受診すべきでしょう。

とは言え、「仕事が忙しい」などの理由で受診の時間を捻出できない方も少なくないでしょう。

そこで、今回は、受診のタイミングを外さないために、知っておきたいお尻のトラブルについて、痔核を中心に、症状を悪化させないために自分でできる対処法をまとめておきたいと思います。

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肛門周辺の血行を改善して「痔核」予防を

立ちっぱなし、坐りっぱなしのいずれにしろ、同じ姿勢を長い時間続けていると、お尻、正確には肛門の周辺を網の目のように走っている細い静脈が「うっ血」と呼ばれる血行障害に陥り、停滞した血液のよどみが、やがてイボのような固まりになってしまう――、これが痔核(イボ痔)です。

痔核を予防、あるいは出血などの症状を悪化させないためには、同じ姿勢を何時間も続けないことです。

意識して定期的に姿勢を変えて体を動かし、全身の血流をよくして肛門部に血液が滞らないようにすればいいことは、おわかりでしょう。

しかしデスクワークに没頭していたり、スマホでゲームに熱中していると、つい時間が経つのも忘れて何時間も同じ姿勢を続けてしまう、といったことがあるのではないでしょうか……。

坐りすぎを警告してくれるスマートウォッチを活用

心当たりがあるという方は、坐りすぎをアラームで警告してくれる機能付きのスマートウォッチ(活動量計)の活用をおススメします。

数ある多機能付きスマートウォッチのなかには、「坐りすぎリマインダー」といって、長時間同じ姿勢で動かずにいると、振動アラーム(バイブレーション)で「座りすぎですよ」と警告してくれる、いわゆる「坐りすぎ通知」機能を備えたものもあります。

たとえばApple Watchには、「スタンドリマインダー」と言って、Apple Watchを装着した状態で50分間ほとんど動かない状態で坐り続けていると、「坐りすぎです。スタンドの時間ですよ~」と振動で警告を発してくれますから、坐りっぱなしを確実に予防することができるようになっています。

お尻にかかる体圧を分散するクッション

あるいは、坐っている間お尻にかかる体重による圧力(体圧)を分散してくれる低反発 座布団のようなクッションを使ってみるのもいいようです。

実はこのクッションは、お尻にかかる体圧が分散されるだけでなく、後方部分に厚みがあるため肛門部分にかかる体圧が前方部分より少なくなるように工夫されています。

そのため坐っただけで自然に前傾姿勢を保つことができます。

この姿勢は、坐ったままの姿勢でいる時間が長い人がよく悩まされる坐骨神経痛や腰痛の予防にも効果があるとして、私の周りにも数人の愛用者がいます。

温水ウォシュレットでお尻を温め、清潔に

痔核など肛門トラブルの原因となる血行障害を改善するには、肛門周辺を温めてあげることも大切です。

その意味で、自宅のトイレに「ウォシュレット」でお馴染みの温水洗浄便座があれば、肛門周辺を温め、なおかつ清潔に保つことができて最高でしょう。

温めると言っても、肛門周辺の皮膚はデリケートですから、温度は人肌程度(40℃前後)、水圧は低め、シャワーは10~20秒がいいようです。

しかし、洗いすぎないこと。洗いすぎると皮脂がとれてしまい肛門周辺の皮膚が乾燥してカサカサになってしまうリスクがあります。

また、肛門周辺の常在菌を流してしまって細菌感染が起きやすい状況をつくることにもなりかねませんから、繰り返しの洗浄はおススメできません。

なお、賃貸住宅やマンションにお住まいで、ウォシュレットを取り付けられない方もいるでしょう。

そういう方は、旅先などでも使うことができる おしり洗浄器 ハンディ・トワレのような携帯用ウォシュレットもありますから活用してみてはいかがでしょうか。

その際は、加温されたペットボトル水を適度な温度に冷ましてから使うことをお忘れなく。

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便秘によるお尻の悩みを防ぐには腸内環境を健康に

ご承知のように、痔核に代表される肛門トラブルの原因で圧倒的に多いのは便秘ですが、下痢が続くことも原因の一つとしては見逃せないようです。

要は、規則正しいスムーズな排便を習慣づけるために腸内環境を健康な状態に保つことが、痔核など肛門トラブルの一番の予防策です。

私たちの腸内には、約1000種類、約100兆個の細菌が常時すみついています。

腸内におけるこれらの菌のバランスは、日々の食事や運動、また精神的ストレスなどにより、大きく変動するのですが、このバランスの乱れがそのまま排便にも影響して、便秘になったり、下痢になったりするというわけです。

生きたまま腸に届くプロバイオティクスで便通を整える

この腸内環境を健康的な状態に保つには、善玉菌を腸内に増やすことが大切です。

具体的には、各種乳酸菌やビフィズス菌飲料、チーズ、ヨーグルトなど、「プロバイオティクス」と呼ばれる私たちの体にとっていい働きをしてくれる微生物(菌)を多く含む食品を摂ることです。

その際には、このプロバイオティクスが腸内で本来の働きを発揮できるように、生きたままのプロバイオティクスがきちんと腸に届くタイプの食品を選ぶことをおすすめします。

ちなみに、先の消化器外科医が痔核などで訪れる患者さんにこのプロバイオティクスとして推奨するのは、機能性表示食品のアサヒ飲料 「届く強さの乳酸菌」とのこと――。

飲み始めてからは毎日スムーズに排便できるようになり、排便時に痛みがあった方からは、痛みでつらい思いをすることもなくなったと話してくれる患者さんが多いそうです。

プロバイオティクスからシンバイオティクスへ

なお最近は、プロバイオティクスをさらに進化させたシンバイオティクスが便通改善により効果的であるとして人気を集めているようです。

シンバイオティクス効果を期待できる機能性表示食品としては「ヤクルト400W」がおススメですが、詳しくはこちらを読んでからご検討ください。

便秘の悩みをシンバイオティクスで解消する
人知れず便秘に悩む日本人は1千万人を優に超えると推計されている。特に高齢者に多いのだが、数ある対策のなかで、シンバイオティクス効果を期待できる「ヤクルト400W」を、「シンバイオティクスとは何か」と併せて紹介する。食事を工夫すればシンバイオティクス効果も……。

朝食を抜かないこともお尻の悩み対策に必須

また、最近の若い女性には朝食を摂らない人が増えていることがしばしば指摘されています。
この朝食を抜く弊害はいろいろありますが、便秘に起因する痔核もその一つです。

朝食を摂ると、胃で消化された食塊が腸に届き、その刺激が腸の活動を活発化させて腸蠕動を引き起こし、自然な排便へとつながるわけです。

しかし朝食を抜いてしまうと、この自然な流れがストップしてしまいます。
2日、3日とこの状態が続くと、たまった便はかなり固くなり、相当いきまないと排泄できなくなります。

そこで強くいきみ、腹圧をかけて排便を試みるわけですが、このときかかる腹圧により肛門周辺の静脈がうっ血状態に陥り、よどんだ血液が、ついにはイボのような固まり、つまり痔核になってしまうというわけです。

なお、便秘対策についてはこちらの記事を参考にしていただけたら幸いです。

便秘のつらい悩みをマグネシウムで解消する
日本人の8人に1人は便秘もちだと聞く。この便秘解消に、必須ミネラルの「マグネシウム」が欠かせないという話をまとめた。マグネシウムは伝統的な和食から多く摂れるのだが、近年の欧米化した食事では不足傾向にある。便秘対策は、まずは食生活を見直すことから始めたい。

お尻の悩みで受診するときは肛門病に精通した医師を探す

痔核などお尻の悩みを抱えている方のなかには、市販の坐薬で痛みなどに対処している方も少なくないようです。

しかし、「排便のたびに出血するようなら、痔核ではなく大腸がんからの出血ということもありえますから、速やかに受診していただきたい」とのこと。

その際、お尻の悩み、つまり肛門病の診療をメインとする医師の診察を受けるには、「肛門科」とか「肛門クリニック」と看板に明記してある医療機関を選ぶといいようです。

たとえば「日本臨床肛門病学会」では、肛門病の診療に精通した医師を審査、認定し、Webサイト「痔を専門とする医師を探そう」で、紹介していますので、参考にされてはいかがでしょうか。