手洗い・消毒による手荒れ対策にハンドマッサージを

ハンドマッサージ体調が悪い?
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「こまめな手洗い・手指消毒」による手荒れに悩む

新型コロナウイルス感染症に対する各種対策を講じて、すでに2年余です。

そろそろ勘弁してほしいと思うのですが、感染が収束する気配はなく、この先もしばらくは、これまでに引き続き感染対策を強化する必要がありそうです。

感染対策の基本中の基本である「こまめな手洗い・手指消毒」の励行により、手荒れに悩まされている方が、私の周りにもたくさんいます。

なかには、手洗いや消毒をした後の保湿ケアを人一倍念入りに行っているのに、ひどいあかぎれやひび割れで苦しんでいる友人もいます。

そこまでひどくなってしまうと、皮膚科医の手を借りるしかないでしょう。

そうならないための手荒れ予防策として、すでに取り組んでいる保湿ケアと並んで、毎晩のハンドマッサージがいいらしいという話を、今日は書いてみたいと思います。

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1日20回以上の手洗いや消毒でも手荒れのない看護師さん

医療機関などで働いている看護職の皆さんは、感染対策としての手洗いや手指のアルコール消毒による手荒れ対策のプロ(?)と言っていいでしょう。

看護師さんや医師らは、まずはウイルスなどの病原体から自分自身を守るために、さらには自らの手指を介して患者さんに感染が及ぶのを防ぐために、処置やケアを行う前後には、その都度必ず手洗いか手指消毒を行うことが鉄則となっています。

当然の結果として、多くの方が深刻な手荒れに苦しめられています。

彼女らからは、「職業病のようなものだから……」などと、半ばあきらめの声が聞こえてきたりもしています。

ところが、取材中に、手荒れとはまったく無縁の看護師さんに出合うことがあります。
外科病棟に勤務して5年になるという方もその一人です。

彼女も、勤務の日は毎日20回以上は手洗いやアルコール消毒を行っているそうです。
また、結婚していて主婦業も「一通りやっている」そうですから、さぞかし手荒れが深刻ではと思いがちですが、さにあらず――。

彼女は手荒れ一つない、つやつやしたとてもきれいな手をしているのです。

入浴中のハンドマッサージで血行を促し手荒れを防ぐ

きれいな手でいられる理由を尋ねたところ、彼女は、「ハンドマッサージに力を入れているからかしら」と、こんな話をしてくれました。

看護師として勤務するようになって間もない頃のこと。
軽い腰痛でマッサージを受けた整体師さんから、手が凝っていることを指摘されたそうです。

手が凝っているということは、手の血行が滞っているということです。

血行が悪ければ、皮膚のバリア機能*の働きも低下しているはずだから、手荒れも起きやすいだろう。
また、いったん荒れたら治りにくいのではないだろうか――。

こんなふうに考えた彼女は、その日から、ハンドマッサージで手のひら全体を揉みほぐして血行とリンパの流れを促してあげることを、バスタイムの習慣としているそうです。

湯上りのあとには保湿クリームをたっぷりつけます。
そのうえで、シルクの手袋をして就寝しているのだと、話してくれました。

このとき使う保湿クリームには、各化粧品メーカーからさまざまな商品が売り出されています。
しかし彼女が数ある中から選んで使っているのは、病院でも使っている、保湿力が高く、しかも安価な「【第3類医薬品】白色ワセリン」**だそうです。

*皮膚のバリア機能とは、外部からの有害物質や刺激を防いで、皮膚から水分などが失われないようにする働きのこと。この機能が低下していると、スキンケアをどんなに念入りに行っても、荒れ症状の軽減には限界があると説明されている。
**白色ワセリンとは、原油を高純度に精製した「ワセリン」のうち純度が最も高い黄色ワセリンをさらに精製して不純物を取り除いたもの。一般の化粧品は、角質層の保湿力を高めたり、減少した水分を補給して保湿するが、ワセリンの保湿はそれとは異なり、肌にフタをして肌からの水分が蒸発して乾燥するのを防いでくれる。フタをすることにより雑菌の侵入を防いで肌を「保護」してくれる効果もあり、さらに空気に触れても劣化しにくいことから、医療機関でも使用されている。

現役看護師が手荒れ防止のために取り組んでいること

バリバリの現役でも手が荒れていない看護師さんは彼女だけではありません。

そこで、取材の後の雑談のなかで、手荒れ防止策として留意していることを聞いてみたのですが、多くの方が以下の点に取り組んでいることがわかりました。

  • アルコールベースの手指消毒薬を使えるときは石けん、特に抗菌石けん(ハンドソープを含む)の使用は極力控える
  • アルコール手指消毒薬と石けんの併用はしない
    (目に見える汚れがあれば石けんと流水による手洗いを行う)
  • 流水による手洗いをする際には温水(お湯)を使わない
    (温水は皮膚の保湿、つまり「うるおい」に欠かせない皮脂を洗い流してしまう)
  • 手洗い後は品質の良いペーパータオルで軽く叩くようにして水気をしっかり取り除く
    (ゴシゴシこすらないこと)
  • 手袋を常用するときは、手袋の材質に対するアレルギーに留意する
  • 湿度の低いシーズン(冬)は、防寒手袋を着用して乾いた風に素手をさらさない
  • 手指を清潔にした後は、保湿剤によるハンドケアを行う

以上に加え、手荒れの目立たない看護師さんのなかには、定期的にエステサロンやネイルサロンでハンドマッサージを受けているという方もいます。

ただ、時間的にも、またかかるコストの面でも、誰もができることではないでしょう。
また、そう頻繁に通えるものでもありません。

手荒れ対策にハンドマッサージャーの活用も

そこで、一部の看護師さんの間で静かなブームになっているのが、ハンドマッサージャー、つまり手専用のマッサージ機です。

このマッサージ機には何種類か市販されているようで、いざ購入となると迷います。

懇意にしていただいている看護師さんの間で評判がいいのは、安全性や効用の面から管理医療機器*としての認証を得ているルルド ハンドケア ハンドマッサージャーです。

実は、私もススメられて、ごく最近、1台購入しました。
毎晩というわけにはいきませんが、指のマッサージや手のひらのツボへの指圧をしています。

もう少し続けてみて、体験談をご紹介できたらと思っています。

*管理医療機器とは、各種ある医療機器のなかで、使用していて不具合が起きたときの人体に対するリスクが比較的低いものをいう。リスクが極めて低い「一般医療機器」の販売・貸与については厚生労働省の承認は不要だが、届出が必要。「管理医療機器」は厚労省への承認申請と届出が必要。リスクがさらに高い「高度管理医療機器」となると、厚労省への許可申請が必要で、取得した許可番号を商品に表記することが求められている。