抗がん剤治療中にできてしまった口内炎対策

歯みがき体調が悪い?

抗がん剤治療による口内炎で食事を摂れなくなる?

乳がんで手術を受けたあと、再発予防にと担当医からすすめられたこともあり、通院しながら予防的化学療法を受けている友人がいます。

彼女は治療を続けながら、会社の重役秘書という、かなり責任の重い仕事に復帰しています。

仕事に戻るに際しては、化学療法で使う抗がん剤による脱毛への対策や、どうしても肌がくすむということで化粧品を変えてみたりと、私もいろいろと提案させていただいて、一緒に対策を講じてきました。

このあたりのことは、「同じような立場の方のお役に立てたら」と彼女が言ってくれたこともあって、こちらの記事にまとめておきましたので、参考にしていただけたら幸いです。

がん治療による外見の変化をどうカバーする?
がん患者の就労支援に国が力を入れていることもあり、治療と仕事を両立させているがん患者が増えつつある。その際課題になる「がん治療による外見上の変化」にいかに対処するかにつき、友人の女性の体験を例にまとめた。併せて、社会的支援も充実してきた実態も紹介する。

恐れていた口内炎の兆候が……

その彼女から先日、「恐れていた口内炎が始まってしまったようだ……」とのメールが届きました。

そこには、口内炎がこのまま悪化して食事を満足に摂れなくなったら、体力が落ちて仕事を続けられなくなってしまう恐れがある――。

そうならないように今のうちに手を打っておきたいと思うのだが、何かいい情報があったら是非教えてほしいといったことが書かれてありました。

彼女の頼みにできるだけ応えたいと思った私は、取材を通じて懇意にしていただいているがん看護がご専門の看護師さんや管理栄養士さんに、彼女の思いを伝え、いろいろと伺ってみました。

その結果知り得たことを、彼女の体験を交えながらまとめてみたいと思います。

口腔内の清潔と保湿により口内炎の悪化を防ぐ

抗がん剤による予防的化学療法を始めるに際しては、担当医と通院している外来の看護師さんから、彼女に使われる抗がん剤の副作用の一つとして口内炎が起きやすいことを伝えられていたそうです。

特に看護師さんからは、その予防のために、治療が始まる前から、うがいや歯みがきをこれまで以上にこまめにして、口の中を常に清潔に保つように、また保湿も心がけるようにとの説明があったとのこと。

彼女としては、言われたことを自分なりにきちんと守ってきたと言います。

にもかかわらず、抗がん剤を使い始めて4、5日経った頃から、口の中が荒れてザラザラするようになり、水などの液体や食べ物を飲み込む時にのどに少し違和感を覚えるようになったのだそうです。

彼女から私に先のメールが届いたのは、この時期でした。

口内炎の兆候を自覚しても歯みがきやうがいは続ける

抗がん剤治療(化学療法)を受ける患者さんのケアに精通した看護師さんによれば、口の中が荒れてきたり、頬(ほほ)の粘膜が腫れて赤くなりヒリヒリするといった口内炎の兆候が出てくると、多くの患者さんは、口の中には触れたくないという意識が働くのか、歯みがきやうがいを控えるようになりがちだとのこと。

しかし、これはまったくの逆効果で、口の中に雑菌や病原体を増やすことになり、肺炎などの感染が起こりやすくなってしまいます。

たとえば【Ci/シーアイ】のような、ヘッド(毛の生えた部分)が小さくて刺激の少ない歯ブラシやスポンジブラシを使い、口の中に乾燥して張り付いているような汚れはもちろん、舌に付いている舌苔(ぜったい)と呼ばれる汚れもしっかり取り除き、口腔内を清潔にしておくことがまずは大切です。

このとき使用する歯みがき剤は、研磨剤などが入っていないうえにノンアルコールで刺激の少ない液体タイプのコンクール 洗口液 マウスリンスなどがいいようです。

保湿剤を使って口腔内の保湿を

口腔内を清潔にしたうえで保湿をはかります。

乾燥させないように、先の洗浄に使用したブラシとは別の、清潔なスポンジブラシ、あるいはよく洗った自分の指先で、コンクール マウスジェルなどを口の中全体に薄く塗って粘膜を保湿しておけば、口内炎による痛みを和らげることができるそうです。

実はこの保湿がとても重要で、リフレケア 口腔ケア用ジェルのような抗菌成分を含む保湿剤も使って口の中を常にうるおして*おけば、自浄(じじょう)作用と言って、口腔内に侵入てきた雑菌や病原菌を自ら撃退する力が高まり、感染を防ぐ効果が期待できます。

そのうえ、痛みも和らぎますから、食事も摂りやすくなり、口内炎の治りが早くなるのだそうです。

なお、痛みがあまり強い場合は、担当医にその旨伝え、局所麻酔薬の入ったうがい薬や痛み止め、場合によっては医療用麻薬を処方してもらうといいでしょう。

*口の中をうるおす方法としては、「レモン水を口に含む」「ガムを口に加える」「唾液マッサージを行って唾液を出やすくする」「保湿ジェルや保湿用洗口液(ノンアルコールタイプを)を使用する」「白ゴマ油、ワセリン、オリーブオイルを塗る」「1日3回、できれば日中は2時間ごとにうがいをする」などがある。

口内炎で弱っている粘膜を刺激しない食事の工夫を

口腔内の清潔と保湿と同時に力を入れたいのが、食事の工夫です。

がん治療中は、治療効果をあげるために栄養状態を良好に保つことが不可欠です。

実際、担当医からは、「毎食、栄養バランスのよい食事を十分摂るように心がけて下さい」と、幾度となく言われていると思います。
→ 「栄養バランスのよい食事」は「まごたち食」で

口内炎の兆しが現れはじめた初期で、痛みがそれほど強くならないうちは、弱っている口腔粘膜を刺激しないよう以下の点に配慮しながら、できるだけ口から必要な栄養を摂るようにします。

  • 固いものは避け、軟らかく煮込んだり、とろみをつけたりする
  • 熱いものは、人肌程度に冷ましてから口に入れる
  • 塩分や酸味の強いもの、香辛料などの刺激の強いものは避ける
  • パサパサした食品を避け、お粥のような水分の多いものを

栄養補助食品を上手に活用する

口内炎が悪化して痛みが強くなり、食べられる量が減ってきたら、少量で効率よくたんぱく質やビタミン・ミネラル類を補給できる栄養補助食品なども上手に活用して、不足分の栄養を補うようにするといいでしょう。

最近は、多種多様な栄養補助食品が市販されています。

口腔内の粘膜炎の回復を考えると、皮膚や粘膜の健康維持に特に大きく係わっている亜鉛とアミノ酸を多く含み、自分の好みに合った味で飲み込みやすいものを選んだらいいと思います。

ちなみに友人の彼女は、いくつか試したあと、ゼリータイプで滑らかな食感の濃厚流動食、明治 メイバランス ソフトJellyが気に入り、その時々の食べられる食事の量に応じて、1日3個を限度に摂っているそうです。

「ヨーグルト味」「マスカット味」「ストロベリー味」などがありますから、その日の気分に応じて好きな味を選べることと、痛みなどによりそのまま吸うのが無理なときは器に盛りつけてフルーツと一緒に食べるなど、飽きないようにあれこれアレンジを工夫して食べていると話してくれています。

こうした対応により、彼女は口内炎に負けることなく、通院治療と仕事を続けながら、口内炎のピークを何とか乗り越えられたようで、まずはホッと一安心というところです。

栄養補助食品の明治メイバランスには、1本(125ml)飲めばエネルギーを200kcal、たんぱく質7.5g、その他必要な全栄養素をバランスよく補給できるメイバランスMiniカップが、がん治療中の栄養補給にはおススメです。

実は私も、歯の治療が長引いて満足に食事を摂れなかったときに助けられました。

明治メイバランスMiniカップを試してみた
食が細くなったとか、食事中にむせたり咳き込むことが多くなるなど、食事だけでは十分な栄養を補えないものの経腸栄養剤の処方を受けられないときに頼りになるのが市販の栄養補助食品だ。今回は歯の治療で満足に食事を摂れない経験を生かし、明治メイバランスを試飲してみた。

なお、口内炎が重症化して食事摂取が困難で低栄養のリスクがあると担当医が判断した場合は、エンシュア・リキッドのような医療用医薬品の栄養剤(経腸栄養剤)を処方してもらうことも可能です。

医療用医薬品ですから健康保険が適用となり、3割、人によっては2割あるいは1割の自己負担分だけで手に入り、経済的メリットもあります。

参考資料:国立がん研究センターがん情報サービス「がん治療と口内炎」