コンタクトレンズをしているときの目薬の使い方

コンタクトレンズ体調が悪い?
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コンタクトレンズをしたまま目薬をさして問題は?

いきなり私事で恐縮ですが、かなりの近眼で、コンタクトレンズを30年余り使い続けています。

使い始めの頃は、目にあまり違和感のない「ソフトコンタクトレンズ」にしていました。

ただ、使っているうちに毎日の手入れや消毒に負担を感じるようになり、いわゆる「使い捨て」タイプのものに切り替えようかと迷ったりしていました。

たまたまそんなとき、「ハードコンタクトレンズ」を使っている友人から、「毎日のケアも、入れたり外したりもとてもラクで使い勝手がいい」と聞き、以来ずっとハード、それも「酸素透過性のハードコンタクトレンズ」をつけています。

コンタクトレンズをつけていると、「強い風が吹いて砂ぼこりが付くと、目がゴロゴロする」とか「夕方になると目がショボショボしてくる」「安心して居眠りができない」といった不具合が避けられません。

それと、実はコンタクトレンズを使っていてよく悩むのは目薬(点眼薬)をさすときです。

コンタクトレンズを外してから目薬をさした方がいいということは、一応理解しているのですが……。

外出先だったり、仕事中だったりすると、外す手間を省いてコンタクトをしたまま目薬をさすことが多いのですが、問題はないのでしょうか。

友人との会話で話題になり、改めて調べてみましたので、確認できたことをお伝えしたいと思います。

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ソフトレンズや酸素透過性レンズは外して点眼する

かかりつけの眼科医に、コンタクトレンズをしているときの目薬のさし方について再確認すると、「一般に、ハードコンタクトレンズなら、コンタクトレンズを装着したまま点眼して問題はないでしょう」との答えが返ってきました。

ただし、ソフトコンタクトレンズや、同じハードでも酸素透過性のコンタクトレンズとなると、「点眼薬によってはコンタクトレンズを外して点眼する必要がありますから、安全のためには、点眼薬を処方した医師にその都度確認するといいでしょう」とのこと――。

とりわけソフトコンタクトレンズには薬物を吸着しやすい性質があるため注意が必要とのことです。

処方箋なしで購入できる市販の目薬の場合は、購入する薬局やドラッグストアの薬剤師さんにコンタクトレンズをつけていることを伝えたうえで、正しい点眼方法を確認するといいでしょう。

また、目薬の箱に書かれている注意書き、あるいは添付文書を確認することもお忘れなく。

多くの目薬には、目薬の品質を長期間保つために防腐剤(「塩化ベンザルコニウム」という成分がよく使われている)が含まれています。

この塩化ベンザルコニウム自体に害はないのですが、コンタクトレンズをつけたままこの防腐剤入り目薬をさすと、防腐剤や他の成分がレンズに吸着して、レンズと直接接触している角膜(くろ目にあたるところ)を傷めたり、レンズの性能に悪影響を与えてレンズの寿命を縮めてしまうことがあるそうです。

防腐剤を含まない人工涙液以外はコンタクトレンズを外す

では、ソフトコンタクトレンズや酸素透過性コンタクトレンズを外して点眼する必要があるのは具体的にどのような目薬なのでしょうか。

この質問に、かかりつけ眼科医は、「あなたにも再三説明してきたことですが……」と言って、さらに次のように話してくれました。

「患者さんには、防腐剤を含まない人工涙液タイプの目薬以外はすべて、いったんレンズを外してから点眼し、点眼後は、静かにまぶたを閉じて、そのまま5分以上間をあけてからレンズを装着するようにしてくださいと説明しています」

人工涙液タイプの目薬とは、目の表面を潤している涙の分泌が少ないために目の表面に涙が行きわたらなくなっている、いわゆる「ドライアイ」のときによく処方される目薬です。

「目が乾く」「目がゴロゴロする」とき、あるいは「異物が目に入った」「コンタクトレンズが張り付く感じがする」ようなときに、涙の代わりに使って目の表面を潤す目薬と言ったらおわかりいただけるでしょうか。

このドライアイについては、高齢者に多いものの、このところは若者やビジネスパーソンを中心に増えていて、潜在患者は2000万人を優に超えると推計されています。

こちらで「ドライアイチェックリスト」を紹介しています。よかったら一度、セルフチェックをしてみてください。

マスク着用によるドライアイなら早めの受診を
パソコンやスマホなどのディスプレイを長時間見続けることによつて起こるドライアイは、涙の病気と言われる。目を潤している涙の量の減少や涙の質の低下が原因で、失明するほどのリスクはないが、角膜や結膜を傷つけることがある。まずは、症状のセルフチェックを!!

目薬の上手なさし方「げんこつ法」をご存知ですか

コンタクトレンズをつけている場合に限らないのですが、目薬の上手なさし方に、「げんこつ法」という方法があるのをご存知でしょうか。

これも、かかりつけの眼科医から教わった以下の方法を紹介します。

  1. 両手をせっけんと流水でよく洗う
  2. 容器の先端に触れないように注意してキャップを外し、その容器を利き手で持つ
  3. 反対の手(逆手)の親指を中に入れてげんこつをつくる
  4. そのげんこつを下まぶたに軽くあて、口の方向に軽く引く
  5. 頭を少し後ろに傾け、目薬を持った手をげんこつの上に載せて、目薬を1滴落とす

この方法で点眼すると、容器の先が目の周りやまぶた、まつ毛、髪の毛などに接触して、容器内の目薬を汚染させるリスクを避けることができます。

目薬を1度に2滴以上さすと、さした目薬の半分以上が目からあふれ出て、眼瞼炎(がんけんえん;目の周囲の炎症)を起こすことがあります。

ただし、処方された目薬で1回に1滴以上の指示がある場合は、その指示に従います。

目薬があふれ出たときは、清潔なガーゼやティッシュで拭き取るようにします。

点眼したすぐ後にまばたきをすると、目薬が鼻から流れ出てしまい、目薬の効果がおちてしまうため、点眼直後は静かに目を閉じて、1分ほどじっとしているといいようです。

ご自身の点眼法を再確認する参考にしていただけたら嬉しいです。

カラーコンタクトレンズをお使いの方へ

なお、最近はコロナ対策としてマスクを外せない日が続いていることから、マスク映えするアイメイクの一つとしてカラーコンタクトやサークルレンズ(瞳がくっきりと際立つように、黒目の周りを縁どるように着色されたレンズ)をつける方が増えているようです。

しかし、おしゃれ目的のこの手のコンタクトレンズには危険な落とし穴が潜んでいて、使用には慎重さが求められるという話をこちらで書いています。

カラーコンタクトレンズやサークルレンズを使用している方は、是非目を通してみてください。

カラーコンタクトは危険性を知って正しく使う
コロナ禍によりマスクを外せない状況にあり、目元の印象を変えようと、おしゃれ感覚でカラーコンタクトを使用する人が増えている。しかし、粗悪な製品により、あるいは使い方を誤ると目のトラブルを招きやすい。購入前に眼科医の診察を受けることなど注意点をまとめた。。