「飛蚊症」と油断しないですぐに眼底検査を

目体調が悪い?
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視野に黒いものが現れたら「飛蚊症(ひぶんしょう)」かも!!

仕事で、趣味でと、起きている間はほとんど四六時中パソコンやスマートフォン、あるいはテレビのディスプレイと向き合う生活で目を酷使し続けているからでしょうか。

数日前から、急に視野に黒い小さなゴミや糸くずのようなものが現れました。

「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼ばれる目のトラブルがあることは知っていました。

蚊が飛んでいるように見えることからそう呼ばれるようになったと聞いたことがあります。まさにその症状だったのです。

飛蚊症は、近視の人ほどよく経験するものの、加齢などに伴う生理的なものもあり、多くの場合あまり心配する必要はないと言われています。

ただ、ごくまれながら、失明につながりかねない「網膜剥離(もうまくはくり)」という深刻な病気の前兆として、この飛蚊症が現れることがあるとも――。

「いったん網膜剥離を起こしてしまうと、入院して大掛かりな手術をしなければならなくなってしまいますから、飛蚊症に気づいたら、すぐに知らせてくださいね」

そう聞かされていた私は少し心配になり、かかりつけの眼科医に電話で相談してみました。

というわけで、今回は、この飛蚊症について書いてみたいと思います。

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網膜剥離により失明する危険がある飛蚊症

飛蚊症は、眼球の中心部分にある、カメラで言えばレンズにあたる硝子体(しょうしたい)と呼ばれる部分に濁りが生じて起こる症状です。

本来透明なはずの硝子体にできた濁りが、本人の視界には蚊が飛んでいるように、あるいは糸くずや小さなゴミが浮かんでいるように映るというわけです。

硝子体の濁りは、硝子体の加齢変化として起こることが多く、飛蚊症が40歳を過ぎた頃から気づく方が多いのはそのためです。

硝子体が年とともに変化すると、硝子体剥離と言われる状態になることがあります。

この剥離が起こると、硝子体の外側に密着している網膜を引っぱって、網膜に小さな穴をあけたり、血管を傷つけて出血を起こしたりすることがあります。

このときできる網膜の穴は「網膜裂孔(もうまくれっこう)」と呼ばれます。

この裂孔の段階なら、外来でレーザー光による「光凝固療法(ひかりぎょうこりょうほう)」*と呼ばれる治療方法で裂孔を塞げ(ふさげ)ば、網膜剥離への進行を食い止めることができます。

しかし、いったん網膜剥離を起こしてしまうと手術が必要になりますから、飛蚊症に気づいたらすぐに眼科を受診して眼底検査などの精密検査を受けるように、というわけです。

*飛蚊症に対するレーザーによる光凝固療法は健康保険の対象ではなく、全額自己負担、つまり自費扱いとなる。費用は、使用する器機や症状により異なるため、治療を受ける際は事前に問い合わせておくことをおススメする。なお、視野検査等には多くの場合保険が適用となる。

飛蚊症の見え方を毎日チェックする

ところで私の飛蚊症の話ですが、私はコンタクトレンズを長年使用しています。

コンタクトレンズを使っている方は眼科の定期検診を受けていると思いますが、私もほぼ3カ月に一度は、かかりつけの眼科医に定期的に眼底検査などをしてもらっています。

このことが幸いして、飛蚊症を心配して電話した私に、かかりつけ医からは、「先月の検診時に診たかぎりでは、眼底に網膜剥離のリスクはなさそうだったから、次回の検診で詳しく調べてみましょう」との返事をもらうことができました。

加えてかかりつけ医からは、朝顔を洗うときなど、毎日時間を決めて片目ずつつぶって視野に異常がないかどうかチェックし、次のような変化を自覚したらすぐに受診するよう指示を受けました。

  • 目の前の黒い虫やごみのようなものの量が急に増えた
  • 急に視力が落ちた
  • 眼球を動かすときに視野のなかに一瞬光が走る
  • 視野全体が霧がかかったようにぼんやりとしか見えない
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飛蚊症を悪化させないためにできること

飛蚊症を悪化させないためには、パソコンやスマートフォン、あるいはテレビ等の「ディスプレイを見ない」のが最善策であることは言うまでもありません。

しかし、すでに私たちの社会はパソコンやスマホ、テレビなどといった機器なしには1日たりとも生活できないような状況にあります。

せめてこれらの機器の正しい使い方を徹底することで、目にかかる負担を極力減らし、目に疲れをため込まないようにすることで飛蚊症を少しでも改善するようにと、眼科医が話してくれた対策をまとめると、ざっと以下のようになります。

  1. 長時間継続してディスプレイを見続けることはやめ、1時間に10~15分の休憩をとり、その間はディスプレイから完全に目を離す
  2. 休憩中は、目の酷使により衰えているピント調節力を高める効果が期待できる「毛様体トレーニング(遠くと近くを交互にじっと見る)」を行う
  3. ディスプレイを見ている間も意識的にまばたきをして涙の分泌を促すと同時に血行をよくする
  4. 目の網膜に張り巡らされている毛細血管の血行を促す効用が期待できるとして、目の健康に欠かせない成分「アントシアニン」を積極的に摂取する

アントシアニンは黒豆や黒ゴマ、紫キャベツにも豊富に含まれる

眼科医が提案してくれた上記対策のうち「4」のアントシアニンはポリフェノールの一種です。

アントシアニンは、目の網膜に存在して光刺激の出入りを調整している「ロドプシン」と呼ばれる色素の再合成を促して、目の機能の改善に一役買っています。

アントシアニンがブルーベリーに多く含まれていることはよくご存知でしょう。

また、毎日の食卓に並ぶお惣菜用の食材としては、黒豆や黒ゴマ、ナスなどの「黒い食品」や紫キャベツ、紫イモといった「紫野菜」にもアントシアニンが大量に含まれていますから、意識して摂るようにしたいものです。

なお、対策の「3」は「ドライアイ」の予防にもつながります。
ドライアイについては、こちらの記事がお役に立てると思います。

マスク着用によるドライアイなら早めの受診を
パソコンやスマホなどのディスプレイを長時間見続けることによつて起こるドライアイは、涙の病気と言われる。目を潤している涙の量の減少や涙の質の低下が原因で、失明するほどのリスクはないが、角膜や結膜を傷つけることがある。まずは、症状のセルフチェックを!!