健康食品やサプリメントに頼りすぎないで!!

薬食と健康

健康食品もサプリメントも食事を補うのが目的

久しぶりに早起きをした朝、時間を持て余してテレビをつけて気づいたことがあります。

NHK以外はどのチャンネルも、ネット通販のCMばかり――。
なかでも健康食品やサプリメントの類のCMがひときわ多いことには驚かされます。

健康食品にもサプリメントにも、今のところこれといった法律上の定義はありません。
ただ、どちらも「薬」ではなく、あくまでも「食品」であることには変わりありません。

一般に、毎日の食事で摂っている普通の食品よりも「健康の保持増進に役立つ」「病気の予防に効果がある」などとして市販されているものをすべてひっくるめて、「健康食品」と呼んでいます。

とは言え、そこで強調されている普通の食品以上の健康効果に確かな科学的根拠があるのかどうかについては、必ずしも十分確認されていないのが実情です。

さらに言えば、この健康食品のなかには、ビタミンやミネラルといった特定の栄養成分をぎゅっと濃縮して、通常の食品とは違うかたちの錠剤やカプセル、あるいは粉末状にしたものがあります。

これらをまとめて「サプリメント」と呼んでいるわけです。

この「サプリメント(Supplement)」、日本語で言えば「補充」という呼び名が象徴するように、本来健康食品は、食事だけでは摂りきれない栄養素を「補う」目的で利用すべきものです。

あくまでも主役となるのは毎日の食事のはずなのですが……。

とかく私たちは、その辺をはき違えてしまいやすく、健康食品やサプリメントに頼りすぎてはいないだろうか、といった話を書いてみたいと思います。

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20歳以上男女の約6割が健康食品・サプリメントを利用

少し前のデータになりますが、消費者庁の消費者委員会が実施した調査*¹では、20歳以上のほぼ3割の男女が、何らかのサプリメントを含む健康食品を「ほぼ毎日利用」しており、「たまに利用」している人を加えると、その数は約6割に及ぶことが明らかになっています。

この調査では、利用している健康食品やサプリメントに対する満足感も尋ねているのですが、利用者の約6割は利用している健康食品やサプリメントに概ね満足しているようです。

一方で、この問いに「不満」「やや不満」と回答した人の約8割が、「期待していたほどの効果がなかった」と感じているとのこと。

そのなかには「体調が悪くなった(悪くなったと感じた)」経験をしている人も、割合としては極めて少ないものの、確かにいることもわかっています。

日本医師会が健康食品・サプリメントの摂りすぎを警告

こうした事態を深刻に受け止めた日本医師会は、Webサイトを通じ、広く国民向けに健康食品やサプリメントの摂りすぎを警告する次のようなメッセージを発信しています。


あなたは「健康食品」やサプリメントを摂りすぎていませんか?
1日3食、バランスのよい食事が大切です。

「健康食品」には、成分を濃縮していたり、医薬品の成分を含んでいるものも多くあります。
効果を期待して摂りすぎたりすると、かえって危険性も増します。
また、服用している医薬品との相互作用で、思わぬ健康被害が発生することもあります。
体に不調を感じたら、迷わずかかりつけの医師にご相談を!
そして医師に、「健康食品」やサプリメントを摂っていることをきちんと伝えましょう。
とは言えまずは、三度三度の食事をきちんと摂ることが何より大切です。

(引用元:日本医師会Webサイト*²)

サプリメントを含む健康食品の正しい選び方、利用法

サプリメントを含む健康食品の正しい選び方や利用上の注意事項は、厚生労働省の医薬品食品局食品安全部と国立健康・栄養研究所が共同で編集した『健康食品の正しい利用法』と題する小冊子*³にかなり具体的にまとめられています。

サプリメント等の健康食品の利用を検討している、あるいはすでに日々利用しているという方は、是非一度、この小冊子をダウンロードして目を通してみることをおススメします。

たとえばこの小冊子では、健康食品やサプリメントを購入する際には、テレビや雑誌、インターネットなどで毎日目にする情報に振り回されることがないよう注意を促しています。

そのうえで、「本当に自分に必要かどうか」を冷静に考えてみるようアドバイスしているのですが、そのポイントとして以下の6点をあげています。

  1. 天然・自然の素材だから安全・安心と言えるのだろうか
  2. 健康食品で病気が治るのだろうか、病気を悪化させるようなリスクはないのだろうか
  3. 体験談がたくさん紹介されているが、その話は「ホント」だろうか
  4. 「専門家」とか「有名人」が言っていることはあてになるのだろうか
  5. 有効成分が入っているから効果がある製品だと言えるのだろうか
  6. 動物実験で効果が実証されたことがそのままヒトに当てはまるのだろうか
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健康食品やサプリメントに頼る前に食事の充実を

健康食品やサプリメントは、あくまでも日々の食事だけでは摂りきれない栄養素を補うために利用すべきものです。

したがって購入するに際しては、栄養バランスのよい食事を毎日きちんと摂っているかどうかを改めて見直してみることが大切です。

必要な栄養素をバランスよく摂るためには、副菜(おかず)を「まごたちはやさしい」、つまり「豆類、ごま、卵、乳製品(ちち)、わかめなどの海藻類、野菜、魚類、しいたけなどのきのこ類、いも類」を意識して摂るといいという話を、こちらの記事で紹介しています。参考にしてみてください。
→ 「栄養バランスのよい食事」は「まごたち食」で

処方薬と健康食品・サプリメントの相性が悪いことも

また、先の小冊子に「健康食品に添加されている成分と医薬品の相互作用が想定される主な事例」が紹介されているように、健康食品やサプリメントに含まれる成分によっては、処方薬との相性が悪いものもあります。

相性が悪いと、処方薬にもともと期待されている効果が下がってしまったり、あるいは副作用が強く出る、病状が悪化するといったことも皆無とは言えません。

こうした事態を防ぐためにも、医師による処方薬を服用している場合は、サプリメントなどの健康食品を自己判断だけでは利用しない方がいいでしょう。

食事が思うように摂れないなどの理由からどうしてもサプリメントなどを利用したいというときは、薬の処方を受けた医師にその旨相談することをおススメします。

なお、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所はWebサイトで、「健康食品」の安全性・有効性情報のコーナー*⁴を設け、その時々の最新情報を提供しています。
こちらも活用してみてはいかがでしょうか。

参考資料*¹:消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)

引用・参考資料*²:日本医師会 国民のみなさまへ「健康食品・サプリメントについて」

参考資料*³:厚生労働省「健康食品の正しい利用法」

参考資料*⁴:「健康食品」の安全性・有効性情報