「冷え性」はスパイスで内臓を温めて改善する

スパイス食と健康

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つらい冷え性は内臓(胃腸)を温めて免疫力アップ

ずいぶん寒くなりました。でも暖房を入れると頭がボーッとしてくるため、冷え切った室内でパソコンに向かっていると、冷えすぎて肩がガチガチに硬くなってきました。気分転換も兼ねて少し体を動かそうと、本棚の整理を始めたのですが、そこで目に留まったのが、表紙に大きく「内臓を温めなさい」と書かれた一冊、『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』(アスコム)です。

たとえば「私って、ひどい冷え性なの」と話すのを聞いてとっさにイメージするのは、四肢の末端、手先や足先の冷たさで、「内臓の冷たさ」まではなかなか考えが及ばないのではないでしょうか。そこで、「えっ、どういう内容だったかしら」とパラパラと流し読みをしていて、「冷えは免疫力を低下させる大きな原因の一つ」というフレーズが目に飛び込んできました。

新型コロナはひとまず沈静化しているものの、隣の中国では子どもの肺炎が広がっているとの報があります。なかなかしぶといウイルスや細菌から我が身を守るためにも、免疫力は是非ともアップさせたいところです。

そこで今回は、この本で紹介されている「内臓の冷え」、いわゆる胃腸冷えの改善対策としてのスパイス(香辛料)を中心に、「冷え性」にまつわる話を書いてみたいと思います。

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冷え性対策にスパイスで体の芯から温まる

この本の趣旨は、内臓、つまり胃腸が冷えていると全身の血液の流れが悪くなって免疫力が低下し、慢性的な疲労感や冷え性、腰痛、便秘など、さまざまな体の不調が現れる。その改善、解消には「内臓を温めなさい」とアドバイスしたうえで、その一つの方法として、あるスパイスの利用を勧めているのです。

「内臓を温めなさい」とのアドバイスには、一瞬、「えっ?」となる方も少なくないでしょう。しかし、よくよく考えてみると、私たちは寒気の厳しい日にはホットドリンクを飲んで、「体の芯(しん)から温める!!」ということをよくやっています。この場合の「体の芯」には、当然のことながら胃腸等の内臓全体が含まれますから、「内臓を温めなさい」というアドバイスは驚くことではないのかもしれません。

ちなみにこの本の著者は、長年にわたり「体の冷え」について研究を続ける理学博士の山口勝利氏(全国冷え症研究所・所長)です。山口氏は、柔道整復師および鍼灸師(しんきゅうし)として、これまで多くの方にマッサージなどを行うなかで、体の冷えが疲労感や肩こり、腰痛、便秘など、さまざまな体の不調の原因となっていることに気づき、冷えの研究を始めたそうです。

もうお一人、この本を医学的観点から監修している井上宏一医師(東京・南砂町おだやかクリニック・院長)は、西洋医学だけにこだわることなく、伝統医学や補完代替医療(ほかんだいたいいりょう)などを統合して診療を行う、いわゆる「統合医療(とうごういりょう)」*がご専門です。

*統合医療について「日本統合医療学会」は、「さまざまな医療を融合し、患者中心の医療を行うもの」と説明しています。

「ヒハツ」が血液循環をよくして体を温め冷え症改善に

紹介したバックグラウンドを持つお二人が、内臓を温める方法として読者に勧めているものの一つが、「ヒハツ」というスパイスです。ヒハツは、コショウ科のつる性植物(朝顔のように、簡単につるを伸ばす植物)で、「ヒバーチ」、「ロングペッパー」、あるいは「島胡椒」とも呼ばれています。

このヒハツを、1日1グラム、小さじに半分ほどを目安に使い続けていると、ヒハツに含まれている「ピペリン」という成分が、血管を広げて血液の循環をよくし、冷えていた内臓が徐々に温まってくるというのです。さらにその血液循環を改善する効果は末梢血管のすみずみまで血液を送り届けるように作用し、冷えがちだった手先や足先も温まってくることが確認されているそうです。

ヒハツは漢方薬にも使われる薬草の一種

ヒハツのようなスパイス、つまり香辛料の類に健康を支える効能(効き目・効果)が期待できるという話は、よく耳にされているのではないでしょうか。その典型例が、さまざまな種類のスパイスをたっぷり使ったインド式のカレー料理。なかでもカレーの色づけに利用される「ターメリック(秋うこん)」というスパイスには、脳の働きを活性化させる効能があるとされています。

内臓を温める効能が期待できるとされるヒハツは、紀元前の時代から中国やインドを中心に、そのエキスが民間薬として使われてきた歴史があります。この流れから、最近では台湾などでも漢方薬として使われています。

わが国で使われている漢方薬にも、ヒハツを不可欠な成分としたものがありますから、ヒハツは、いわゆる和漢植物(エキスが薬として用いられる「生薬(しょうやく)」と呼ばれる薬草)の一つなのです。

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1日小さじに半分のヒハツで冷え性を改善する

スパイスとして市販されているヒハツには、産地ものがいくつかありますが、いずれもシナモンのようなエスニック風の甘い香りとコショウのような辛味が特徴です。数あるなかから使いやすさで言えば、パウダー状のS&B ヒハツ、あるいはスティックタイプの長胡椒・ヒハツがおススメです。

パウダータイプのヒハツはコショウ代わりに、どんな料理にも振りかけるだけでOKです。一方でスティックタイプのヒハツは、紅茶などの温かい飲み物をヒハツスティックで数回かき混ぜるだけで、甘い香りを楽しむことができます。

この著書『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』には、ヒハツを使った料理レシピも紹介されています。レシピを参考に、毎日の食事でヒハツを使い続ければ、血流がよくなり冷え性も改善されて、手先や足先が温まってくるはずです。

ただし、何ごとも過ぎたるは及ばざるがごとしです。ヒハツも使い過ぎると吐き気や胃の痛み、下痢などの胃腸症状に見舞われるリスクがあります。1日1グラム(小さじ半分程度)を厳守してください。

また、妊娠中や授乳中の方、糖尿病、あるいは出血しやすいとか止血しにくいなどの出血性疾患で治療中の方は、主治医に相談のうえ使用することが大切です。

玉ねぎの「血液サラサラ成分」も冷え性を改善

ヒハツのような胃腸など内臓を温めてくれる生薬の仲間としては、乾燥させた生姜(ショウガ)、シナモン、クローブ、なつめなどがあります。

また、生薬ではありませんが、玉ねぎやらっきょうなどの辛み野菜に含まれる「血液サラサラ成分」として知られる「硫化アリル」にも、末梢血管の血液循環を促して冷え性を改善する効果を期待できることがわかっています。詳しくはこちらを一度読んでみてください。

血液をサラサラにする硫化アリルを含む野菜類
玉ねぎに血液をサラサラにして血栓形成や動脈硬化を防ぐ効果が期待できることはよく知られている。その正体である「硫化アリル」が、実は玉ねぎ以外の野菜にも含まれていて、「血液サラサラ」以外にもビタミンB1の吸収率を高めるなどの効能が期待できることをまとめた。