カルシウム補給に役立つ豆腐、厚揚げ、海藻類

豆腐 食と健康

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牛乳や乳製品以外にもカルシウムを多く含む食品が

骨や歯を健康的に保つうえでカルシウムが欠かせないことはよくご存知のことと思います。加えてカルシウムは、細胞や筋肉、神経の働きをサポートするとともに、血液凝固と言って、出血を止めるうえでも重要な働きをしている必須ミネラルです。

カルシウム不足の状態が続くと、骨や歯が弱くなります。とりわけ閉経期以降の女性では、骨にすき間が増えてもろくなる「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」によって骨折しやすくなりますから、日頃からカルシウムを効率的にとり続ける必要があります。

実はこの骨粗鬆症は、「減食ダイエットを続けていると骨がボロボロに」で紹介しているように、減食ダイエットを経験した若い世代の女性、そして男性にも増えていますから、性別、年齢に関係なくカルシウムは大切な栄養素なのです。

カルシウムをとるには、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品が最適です。しかし、牛乳アレルギーや乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)*の方は、残念ながら牛乳や乳製品に頼ることができません。

*乳糖不耐症とは、牛乳や乳製品に含まれる「乳糖」を分解する消化酵素(ラクターゼ)の働きが十分でないために、牛乳や乳成分を摂ると消化不良の状態になり、おなかがゴロゴロしたり腹痛や下痢に見舞われる病的な状態のこと。詳しくは「「牛乳を飲むとおなかゴロゴロ」の予防法は?」を参照してください。

そこで今回は、牛乳や乳製品以外で、スーパーなど身近なところで購入でき、調理も比較的簡単で摂取しやすいカルシウムを多く含む食品と、その効率的なとり方を大豆製品を中心にまとめておきたいと思いいます。

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厚揚げや豆腐などの大豆製品でカルシウムを補う

牛乳や乳製品以外で、カルシウムを多く含む食品としてまずあげられるのは、「豆腐」「油揚げ」「厚揚げ」「納豆」等の大豆製品です。いずれも毎日の食卓に並ぶことの多い、日本人にお馴染みの食品ばかり。

このうち厚揚げには、1/2枚(約100g)に240㎎ものカルシウムが含まれています。この量は、牛乳コップ1杯(200g)分のカルシウム含有量(220㎎)を上回ります。

また、冷奴(ひややっこ)や湯豆腐にと、あまり手をかけなくても美味しく食べられる木綿豆腐*には、約1/2丁(150g)に180㎎のカルシウムが含まれています。これもまた、一般的なヨーグルト1パック(100g)のカルシウム含有量(120㎎)を軽く超えます。

*木綿豆腐は、製造する過程で圧力を加えて水分などを取り除いてあるため、絹ごし豆腐より栄養分が凝縮され濃くなっている。カルシウム量でいえば、絹ごし豆腐の2倍近く含まれていて、カルシウムを補いたいときは絹ごし豆腐よりも木綿豆腐がおススメ。

カルシウム量を増やすには納豆にしらす干しを混ぜる

ご飯との相性のよさから、朝食に「納豆」が欠かせない方は少なくないと思いますが、納豆1パック(50g)に含まれるカルシウムは45㎎です。他の大豆製品に比べて納豆のカルシウム含有量はあまり多くないのですが、カルシウムを多く含む「ちりめんじゃこ」や「しらす干し」のような骨ごと食べられる小魚を混ぜて食べるようにすれば、カルシウムの摂取量を増やすことができます。

ちりめんじゃこはしらす干しを乾燥させたもので、100gに210㎎ものカルシウムが含まれています。1食分を大さじ1杯(10g)とすると、カルシウム量は約21㎎です。

しらす干しは日持ちがあまり良くないのですが、冷凍用の保存袋に小分けにして冷凍庫に入れておけば、最低2週間は保存できます。納豆には刻みネギや小口ネギを混ぜている方が多いかと思いますが、冷凍しておいたしらす干しやちりめんじゃこに切り替えれば、カルシウムの摂取量を増やすことができます。

オイルサーディン丼なら簡単にカルシウムを補給できる

なお、骨ごと食べられるカルシウム豊富な小魚としては、「小いわし」があります。から揚げなどにするのもいいでしょうが、小いわしをオイル漬けにした缶詰「オイルサーディン」なら、カルシウムが豊富なうえに、カルシウムの吸収に必要なビタミンDもたっぷり摂ることができます。

たとえばオイルサーディン1/2缶(約50g)に175㎎のカルシウムが含まれていますから、お酒のツマミやサラダのトッピングなどにいかがでしょうか。

ちなみに我が家では、亡き作家の森瑤子さんが小説の中で紹介していた「サーディン丼」をよく作ります。加熱したフライパンにオイルをひき、オイルサーディン(我が家は入手しやすい国産のニッスイ オイルサーディン をキープしています)を入れて軽く温め、仕上げにしょうゆを振りかけたら火を止めます。

これを小ぶりの丼のご飯のうえに盛りつけてから、刻んだ万能ねぎをトッピングするだけでOK。とても美味です。是非試してみてください。

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葉っぱ物や乾物の切り干し大根もカルシウムの宝庫

カルシウムは「干しひじき」「カットわかめ」「青のり」といった海藻類にも多く含まれています。たとえば「ひじきの煮物」なら、1食分(約10g)で140㎎ものカルシウムを摂ることができます。

また、小松菜やモロヘイヤ、菜の花、水菜、白菜といった葉っぱ物の野菜類もカルシウムの宝庫ですから、これらの野菜と大豆製品の厚揚げや油揚げの煮びたしなどは、カルシウム補給におススメの一品です。保存性の高い「ドライいちじく」も、果物の中ではダントツにカルシウムが豊富です。

保存食としては乾物(かんぶつ)の代表格ともいうべき切り干し大根もカルシウム含有量が多い食品で、切り干し大根の煮物なら、1食分(約15g)で81㎎のカルシウムをとることができます。

切り干し大根のような乾物については、「水やお湯で戻してから加熱調理する」といった手間がかかるために敬遠する方が多いのですが、最近は、より簡単な調理方法も紹介されています。詳しくは「食べてやせるダイエットに「乾物」の活用を」を参考に。

カルシウムを効率的に摂るにはビタミンDと一緒に

摂取したカルシウムの体内での吸収率を高めるには、ビタミンDが必要です。ビタミンDを多く含む食品は、サケ、マグロ、サバといった脂身が比較的多い魚類やウナギ、卵黄ですが、キクラゲやマイタケ、干しシイタケなどのきのこ類にも比較的多く含まれています。

ビタミンDは脂溶性のビタミンですから、きのこ類は炒め物にして大豆製品と一緒にとるようにすれば、カルシウムを効率的にとることができます。「豆腐ステーキのきのこソースかけ」などは最適です。

また、ビタミンDは日光を浴びることで体内で生成されるため、日焼けしない程度に日光に当たることもカルシウムの吸収率を高めることにつながります。先ほど紹介した乾物の多くは天日干し(てんびぼし)といって、太陽光にあてて乾燥させてありますから、切り干し大根などはカルシウムとビタミンDの補給に格好の食品といっていいでしょう。

なお、最近出回っている「大人向け粉ミルク」のなかには、おなかゴロゴロの原因となる「乳糖」を可能な限り取り除いた粉ミルクもありますから、カルシウム補給に活用できるのではないでしょうか。

「牛乳が苦手」な方は「大人の粉ミルク」を!
大人向け粉ミルクが、牛乳が苦手な方や健康志向の方を中心に人気が高まっている。配合されている栄養成分も味も大人向けにアレンジされ、各種市販されている。牛乳には含まれていない栄養成分をプラスしたものも多く、自分に不足しがちな栄養素を知ったうえで選ぶといい。

参考資料:文部科学省 日本食品標準成分表・資源に関する取組