アレルギーを疑ったらすぐに原因特定の検査を

鼻水体調が悪い?

鼻アレルギー症状を花粉症のためと決めつけていませんか

新型コロナウイルスの感染がまた徐々に増えつつあります。

次の「第7波」では、従来のオミクロン株以上に感染力が高いとされる「BA.2」や新たな変異ウイルス「XE」が主流になるなどと言われていささか心配です。

一方で、花粉症も「悩みの種」ではないでしょうか。

4月も下旬となり、花粉シーズンもピークを過ぎたとはいえ、依然として花粉の飛散量が「やや多い」日があるなど、一瞬も油断できません。

花粉症の主な症状は、水のような「鼻水」とくりかえす「くしゃみ」、「鼻づまり」といった鼻アレルギーの症状です。そこに、「目のかゆみ」や「のどのかゆみ」が加わることもあります。

この時期にこのような症状が出ると、「花粉症だろう」と自己判断し、市販の花粉症の薬を飲んで様子を見るといった方も少なくないと思います。

ところが、薬の効果はあまりなく、花粉症のシーズンが終わっても鼻水やくしゃみといったアレルギー症状がいっこうに治まらないということもあるでしょう。

そんなときは、花粉以外の、ホコリやダニなどの「ハウスダスト」が原因のアレルギー性鼻炎を疑ってみる必要があります。

ということで今回は、アレルギーが疑われた際の話を書いておきたいと思います。

血液中のIgE抗体でアレルギー体質かどうかを調べる

アレルギーという言葉を私たちはごく普通に使っていますが、もともとはギリシャ語で、「アロス」と「エルゴス」という二つの言葉を一つにした「変わった反応」という意味の造語だと説明を受けたことがあります。

つまり、大部分の人は、食べても触っても吸い込んでも異常な反応は起こさないのに、一部の人は、食べると蕁麻疹(じんましん)が出たり、吸い込むと喘息(ぜんそく)が出たりといった普通では見られない反応が現れることをアレルギーと呼んでいるわけです。

このような体質をもっている人を「アレルギー体質」とか「アトピー体質」と呼んでいるのは、先刻ご承知だろうと思います。

そこで、アレルギーを疑って、たとえば耳鼻咽喉科を受診*すると、最初の検査として行われるのが、アレルギー体質かどうかを明らかにする検査です。

アレルギー体質の人は、体のなかにアレルギーの原因物質(アレルゲン)が入り込んでくると、そのアレルゲンに働きかけて体を守ろうと抗体、いわゆる「IgE抗体」を作りやすいことがわかっています。

そこで、血液中のIgE抗体の量を調べてアレルギー体質かどうかを判断するわけです。

*アレルギーを疑ったらどこを受診するか
鼻水や鼻づまりなどの鼻炎症状は耳鼻咽喉科、喘息や咳込みなど気道の症状は呼吸器内科、目のかゆみや結膜(白目の部分)の充血は眼科、金属アレルギーや蕁麻疹、かゆみは皮膚科、いくつか症状が重なっているときは内科やアレルギー科、小児の場合は小児科を。
日本アレルギー学会の審査を受けて認定された専門医・指導医のいる医療機関ならより安心です。
最寄りの日本アレルギー学会専門医・指導医は同学会の公式ホームページにある一覧から検索することができます*¹。

アレルギーの原因を特定する「Viewアレルギー39」検査

血液検査でIgE抗体の値が高くアレルギー体質だとわかれば、アレルギーの治療を行うために、まずはアレルギーの原因となっている「アレルゲン」を特定する検査、いわゆるスクリーニング検査が行われます。

この検査では、一般に「Viewアレルギー39」と呼ばれる検査が行われます。

39項目のアレルゲンを一度に調べられる

これは、少量の採血でハウスダストやスギの花粉といった吸入系のアレルゲン、卵や牛乳、小麦といった食物系アレルゲンなど、以下に示す39項目のアレルゲンを特定できる新しいタイプ(2015年4月より)のアレルギー検査です*²。

  • 測定可能な吸入系・その他アレルゲン(19項目)
    ・室内塵:ヤケヒョウダニ、ハウスダスト
    ・動物:ネコ皮屑、イヌ皮屑
    ・昆虫:ガ、ゴキブリ
    ・樹木:スギ、ヒノキ、ハンノキ(属)、シラカンバ(属)
    ・イネ科植物:カモガヤ、オオアワガエリ
    ・雑草:ブタクサ、ヨモギ
    ・真菌:アルテリナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア(属)
    ・職業性:ラテックス
  • 測定可能な食物系アレルゲン(20項目)
    ・卵:卵白、オボムコイド
    ・牛乳:ミルク
    ・穀類:小麦、ソバ、米
    ・豆類:ピーナッツ、大豆
    ・甲殻類:エビ、カニ
    ・果物:キウイ、リンゴ、バナナ
    ・肉類:牛肉、豚肉、鶏肉
    ・魚類:マグロ、サケ、サバ
    ・その他:ゴマ

「Viewアレルギー39」検査が必要と医師が判断すれば保険適用に

この「Viewアレルギー39」検査は、アレルギーと思われる症状(鼻炎症状やかゆみなどの皮膚症状)があり、診察した医師が治療していくうえでこの検査が必要と判断すれば、医療保険で受けることができます。

保険を使えば検査費用は、自己負担が3割の方は5,000円ほどです。このほかに診察料が別途かかりますから、すべて合わせて6,000円ほどになります。

医療機関によっては希望する項目だけ調べることも可能で、その場合は1項目が約330円です。

アレルギー疾患の治療の基本はアレルゲンを回避すること

アレルギー疾患の治療では、症状を緩和するための薬物療法なども行われますが、基本はやはり原因となるアレルゲンを回避することです。

たとえば、先の検査で、あなたのアレルギー症状の原因がハウスダストやダニなど吸入系のアレルゲンであると特定できれば、鼻からアレルゲンが入らないように、室内や寝具類の掃除などを徹底して行います。

食物アレルギーなら食品の「食物アレルギー表示」のチェックを

一方、食物系のアレルゲンによる食物アレルギーの場合は、特定できたアレルゲンを最大限取り除いた食生活を送ることが基本となりますが、そのために知っておきたいのが「食物アレルギー表示」です。

アレルゲンを含む食品については、食物アレルギーの方の健康被害を防ぐ目的で、食品表示法により加工食品、生鮮食品および添加物などに「食物アレルギー表示」が義務づけられています。

「食物アレルギーの表示」を義務づけられているアレルゲンは、エビ、カニ、小麦、ソバ、卵、牛乳、ピーナッツ(落花生)の7品目です。

また、アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ゴマ、サケ、サバ、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、モモ、ヤマイモ、リンゴ、ゼラチンの21品目については、表示することが推奨されています。

加工食品については、たとえば「マヨネーズ(卵を含む)」「チョコレート(乳成分を含む)」などと、また添加物については、「キチン(カニ由来)」「カゼインナトリウム(乳由来)」などと表示するようになっています。

詳しくは、消費者庁が食品関連事業者向けに作成したハンドブック*³を参照し、加工食品などを使用する際は、食品類のパッケージに明示してあるこれらの表示をチェックすることをお忘れなく。

参考資料*¹:日本アレルギー学会専門医・指導医一覧

参考資料*²:「39種類を一度に調べられる アレルギー検査」サーモフィッシャーホームページ

参考資料*³:消費者庁「加工食品の食物アレルギー表示」ハンドブック