悩みやこころの不調は放置しないで相談を

スマイル体調が悪い?
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悩みやこころの不調は誰もが一度ならず経験する

人に言えない悩みが続き、わけもなく不安になったり、ストレスを受けて気持ちが落ち込んだり、憂うつな気分が続くといった「こころの不調」は誰もが一度ならず経験することです。

かつては入学、進学、就職、昇進、あるいは結婚、転居に代表される大きなライフイベントに伴う環境の変化に起因することが多いと言われたものです。

加えて最近は、「セクハラ」「パワハラ」、あるいは「モラハラ」といった言葉がごく日常的に語られているように、職場の同僚や上司との、場合によっては近隣との人間関係における耐え難いストレスが原因で、こころの不調に陥るケースが多くなっているようです。

そして今、多くの人にとって最も大きなストレス要因となっているのが、なかなか収束のメドがつかない新型コロナウイルス感染症であることは言うまでもないでしょう。

体の不調ならともかくこころの不調については、家族や親しい友人にも話しにくいものです。

医療機関を受診するのもハードルが高く、なかなか最初の一歩を踏み出せないのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、「こころのケアセンター」とか「こころの健康センター」のような、地域にある「こころの相談窓口」を活用してみることです。

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悩みやこころの不調を誰にも相談できずにいませんか

悩みやストレスが続くことによるこころの不調は、体の不調と違い自分では不調として気づきにくいものですが、あなたは次のようなこころの不調のサインを自覚していないでしょうか。

  • 憂うつで何をするのにも元気が出ない
  • イライラして、いつになく怒りっぽい
  • 何度も確かめないと気が済まない
  • 理由もないのに気持ちが落ち着かず、不安な気持ちになる
  • 胸がドキドキしたり、息苦しさを感じる
  • 食欲がなく、何も食べたくない
  • 床に就いてもなかなか寝つけない
  • 熟睡できず、夜中に何度も目が覚める

ひとつでも思い当たることがある、しかも長く続いているという方は、十分注意する必要があります。

というのは、この状態のまま、こころのモヤモヤを誰にも相談できずにいると、悪くすれば「うつ病」のようなこころの病気につながる可能性があるからです。

腹式呼吸をしてみる

なお、不安や緊張が強いときは、大きく深く腹式の深呼吸をしてみると、気持ちが落ち着くことがあります。

そんなときの呼吸法について知っていただきたいことをこちらで書いていますので、一度ぜひ、参考にして試してみてください。

不安で気持ちが落ち着かないときは腹式呼吸を
デルタ株によりコロナ感染が全国規模で急拡大し、不安や緊張の日々が続いている。自ずと呼吸は浅く速い胸式になりがちだ。不安や緊張を鎮めるには、横隔膜をゆっくり上下に動かす腹式呼吸に意識して切り替えるといい。その理想的な方法として坐禅の呼吸法を例に紹介する。

地域にある精神保健福祉センターの「こころの相談窓口」

国は20年ほど前から、「こころの健康づくり」としてのメンタルヘルス活動に力を入れています。

その一環として、こころの不調や健康上の課題で困ったときに誰もが安心して支援を受けられるように、各都道府県および政令指定都市*ごとに1か所(東京都は3か所)ある精神保健福祉センターを中心に「こころの相談窓口」の開設を進めています。

*政令指定都市とは、「人口50万以上の市」で、2021年7月現在、大阪市、名古屋市、京都市、横浜市、神戸市、北九州市、札幌市、川崎市、福岡市、広島市、仙台市、千葉市、さいたま市、静岡市、堺市、新潟市、浜松市、岡山市、相模原市、熊本市の20都市が指定されている。

この「こころの相談窓口」は行政機関が開設・運営しているものが多いのですが、なかには愛知医科大学病院や自治医科大学附属病院の「こころのケアセンター」のように、病院やクリニック、NPO法人などが独自に開設・運営しているものもあります。

設置主体により規模は異なり、相談に応対してくれる専門スタッフも異なります。

ただ、若い方や高齢者、あるいは働く人々の「気持ちが落ち込む」とか「眠れない日が続いている」「わけもなくイライラすることが多い」といったこころの不調に関する相談を受け付け、早めに適切な対応につなげることを心がけている点はどこも同じです。

早期にこころの専門家につなぐことにより、最近増加傾向にあるうつ病などの精神疾患や、このところ際立っている過労死や自殺についても、早めにシグナルを察知してブレーキをかけることを目的としています。

いわゆる全国規模で展開するメンタルヘルス活動の拠点として位置づけられているのが、「こころのケアセンター」に代表されるこころの相談窓口です。

こころの不調のサインに気づいたら

こころの不調のサインに気づき、その状態が続くときは、精神神経科や精神科、あるいは心療内科(しんりょうないか)*を受診して医師に話を聞いてもらうのが一番の基本です。

*心療内科は、心理的要因により身体症状が現れる胃潰瘍や気管支喘息などの「心身症」を主な診療対象としているが、強い不安やストレスなどによるこころの病気で通院している患者も多い。

とはいえ、このような診療科を受診することに抵抗を覚える方も少なくないでしょう。

そんな方は、是非とも「こころのケアセンター」のような専門機関に相談されるのがベストだと思います。

最寄りの精神保健福祉センターは、こちら*¹から簡単に検索することができます。

あるいは、最寄りの病院、あるいはかかりつけの病院のホームページにアクセスして、「こころのケアセンター」のような相談室の有無をチェックしてみるのもいいでしょう。

手っ取り早い方法としては、厚生労働省が、電話やメール、SNSなどで相談できる各地の相談窓口*²を紹介していますので活用するのはいかがでしょうか。

また、内閣官房に新たに設置された「孤独・孤立対策担当室」のホームページには、「孤独・孤立で悩まれている方へ 相談先一覧」*³として、「いじめ等の悩み相談」「性犯罪・性暴力の被害相談」「配偶者からの暴力(DV)」「生きづらさを感じる」等の相談先がリストアップされています。

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こころの専門家と話すことで自らのこころを客観視する

該当する相談窓口やセンターが見つかったら、まずはそこに電話かFAXで相談してみてください。

精神科医、あるいは公認心理師や臨床心理士、精神保健福祉士、精神看護専門看護師など、こころの専門家が応対してくれるはずです。

相談内容によっては、「ではお会いしてお話をゆっくりお聞きしましょう」となるでしょう。

あるいは、「ご自宅に近い〇〇クリニックでも相談を受けられますよ」とか、「そういったご相談でしたら、お近くの保健所(保健センター)でも専門職がお話をうかがうこともできます」などと、最寄りの相談先を紹介してくれることもあるでしょう。

いずれにしても、こころの専門家と話すことにより、今の自分のこころの状態を少しでも客観視することができれば、一安心です。

後は、専門家によるカウンセリングを受けるとか、十分な睡眠や休養をとるなど、専門家のアドバイスを受けながら必要とされる具体的な手立てをされたらいいと思います。

睡眠については、「睡眠時間」ではなく「眠りの質」が大事という話をこちらで書いています。
→ コロナ禍に負けず質の良い睡眠を確保するコツ

こころの不調に気づいたら体を動かしてみる

なお、こころのセルフケアとして、たとえば緑茶のうまみ成分である「テアニン」と呼ばれるアミノ酸の働きにより、緑茶をよく飲んでいる人はうつ病になるリスクが低くなることが報告されていますから、緑茶を飲む習慣をつけてみるのもいいかもしれません。
→ 気持ちの落ち込みを緑茶を飲んで和らげる

同様に、緑黄色野菜の「葉酸」が「こころに効く」という報告もあります。
→ 憂うつな気分を野菜や果物の「葉酸」で和らげる

気持ちが落ち着かず眠れないからとアルコールに頼る、つまり寝酒を習慣づけないように!!
→ 睡眠薬代わりの「寝酒」は百害あって一利なし

もう一点、「日頃から活発な身体活動を行っている人はうつ病を発症するリスクが低下する」ことが報告されていますから、現状より1日10分(1,000歩)でも多く体を動かすことを心がけてみてはいかがでしょうか。

この点については、こちらで具体的に紹介していますので是非読んで参考にしていただけたらうれしいです。

体をよく動かしているとうつ病になりにくいって本当?
コロナ禍が長引き、気が滅入っている人は少なくない。国立高度医療研究センターの健康寿命に関する提言によれば、日々の身体活動量が多いほどうつ病の発症リスクが低くなるそうだ。このところの運動不足が気になっている者としては見過ごせない内容なので、詳しく調べてみた。

参考資料*¹:全国の精神保健福祉センター一覧

参考資料*²:厚生労働省 支援情報検索サイト

参考資料*³:孤独・孤立で悩まれている方へ 相談先一覧