新型コロナワクチン接種に備えておきたいこと

ワクチン接種ニュースから

いよいよ始まる新型コロナワクチンの国内接種

一部の地域ながら、再度の緊急事態宣言発令により人の流れにブレーキがかかったからでしょう。
ここ数日、新型コロナウイルスの新規感染者(陽性者)は全国的に減少傾向にあります。

とはいえ、全国の重症者は800人前後と高水準のまま。
医療現場では依然として逼迫(ひっぱく)した状況が続いています。

そんななか、待ちに待ったワクチンの話がいよいよ現実味を帯びてきました。

アメリカの大手製薬会社ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチンについて、日本国内での使用に向け、有効性と安全性の審査が進められてきました。

審査の結果、厚生労働省は2月14日、国内での使用を正式に承認しています。

この先は、2月17日から、国立病院機構の52医療機関において、安全性調査に同意の得られた医療従事者約2万人を含むおよそ4万人を対象に、先行接種*がスタートする予定になっています。

そこで今回は、スケジュールどおりにワクチン接種が進み、いよいよ自分の番が回ってきたときに慌てないよう、
自分もワクチン接種を受けるかどうか、あらかじめ考えておくことを提案したいと思います。

*先行接種は、広く国民にワクチン接種後の状況を情報提供することを目的としている。
同意のもとに先行接種を受ける医療従事者は接種後の約4週間、発熱や接種部位の腫れなど健康状態を記録。その結果は随時国民に発信されることになっている。

ファイザー社に続きアストラゼネカ社も新型コロナワクチンの承認申請

なお、新型コロナウイルスのワクチンについては、ファイザー社に続き、イギリスの大手製薬会社アストラゼネカも、2月5日、自社が開発したワクチンの日本国内での使用に承認を求める申請を行っています。

承認申請を受けた厚生労働省は、ファイザー社製のワクチンと同じ方法で、有効性と安全性を慎重に審査することになります。

この審査結果から、アストラゼネカ社製のワクチンを承認するかどうかの結論が出されるのは、スムーズにいって、おそらく4月中旬以降になるものと見込まれます。

したがって国内接種には、当面はファイザー社製のワクチンが使われることになります。

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ファイザー社製新型コロナワクチンの接種スケジュール

厚生労働省が現時点(2月10日)で公表しているファイザー社製ワクチン接種のスケジュールは、おおむね以下のようになっています。

なお、ワクチン接種の対象は16歳以上で、原則3週間の間隔を空けて1人2回接種することになります。

妊娠中の女性、そのパートナーの方、妊娠を希望している女性、また授乳中の方のワクチン接種については、こちらの記事を読んでみてください。

妊娠中も妊活中も新型コロナワクチン接種を!!
いよいよ国内での接種が始まった新型コロナワクチン。16歳以上の国民は、原則「接種義務」が課せられる。ただ、妊婦は接種義務の対象外との報に「接種を受けられないのか」と不安の声も聞かれるが、そんなことはない。その辺の話を、専門学会の提言を参考に整理してみた。
  • 2月17日~同意の得られた医療従事者約1万人を対象に安全性調査のための接種
  • 3月中旬~コロナ診療やコロナ患者の搬送に携わる医師、看護師、救急隊員、保健所職員、薬剤師、
    自衛隊員、自治体職員などを優先接種
  • 4月1日~高齢者(令和3年度中に65歳以上に達する、昭和32年4月1日以前に生まれた方)、
    および高齢者以外で基礎疾患を持つ方*、高齢者施設等の従事者などを優先接種
  • その後、優先接種対象外の方に接種

上記スケジュールは、ワクチン供給の問題などにより多少ずれ込んでいますが、高齢者へのワクチン接種についてはこちらの記事も読んでみてください。

高齢者へのワクチン接種がいよいよ始まります
新型コロナウイルスリバウンド(感染拡大)の危機感が強まるなか、高齢者へのワクチン接種がようやくスタートする。ワクチン供給量がEUにより規制されていることもあり、全国一斉ではなくスケジュール等は自治体レベルで異なるが、対象者や副反応についてまとめた。
*基礎疾患を持つ方としては、慢性の呼吸器疾患、高血圧を含む慢性の心疾患、慢性の腎臓病、慢性の肝臓病(脂肪肝、慢性肝炎は除く)、糖尿病、BMI(肥満度を表す体格指数)が30以上の肥満、免疫機能を低下させる治療を受けている、睡眠時無呼吸症候群などで、通院あるいは入院している方が該当する。なお、BMIは体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}の計算式で割り出される。

新型コロナワクチン接種は強制ではなく本人の同意が前提

今回のワクチン接種の費用は国が負担しますから、無料で受けられます。
ただし、ワクチン接種はすべて強制的に行われるものではありません。

接種に際しては、個々にインフォームドコンセントを行うこと、つまり、
「しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種を行う」
と決められています。

ということは、国民一人ひとりが、ワクチン接種を受けるかどうかを自己判断し、
接種に同意した人のみが接種を受けることになります。

ワクチン接種については、
接種時期より前(高齢者には3月、高齢者以外は4月以降)に、
市区町村から「接種券」と「新型コロナワクチン接種のお知らせ」が、住民票の住所に届けられます。

先のスケジュールでおわかりのように、
優先接種の対象となっている65歳以上の高齢者や基礎疾患、いわゆる持病のある方以外は、
まだ時間的に余裕があります。

そのときになって悩んだり、慌てたりしないためには、今から、
ワクチン接種による副反応(副作用)なども知ったうえで、
自分は接種するかどうかをじっくり考え、意思決定しておけば安心でしょう。

ファイザー社製コロナワクチンの感染予防効果は95%

新型コロナワクチンの接種を受けるかどうかを考えるうえでまず気になるのは、
⑴ このワクチンは新型コロナウイルスにどのような効果があるのか
⑵ 副反応の心配はないのだろうか
の2点ではないでしょうか。

新型コロナワクチンの有効性についてファイザー社は、
数万人を対象にした最終段階の臨床試験(第三相試験)で、
新型コロナウイルスの感染予防効果は95%であったと報告しています。

この予防効果は、免疫力が低下傾向にあるために感染しやすく、
いったん感染すると重症化しやすい65歳以上の高齢者においても、
ほぼ同率、94%の有効率が得られたことが報告されています。

この有効率は、国内で日本人を対象に行われた治験でも、同程度確認されています。

ちなみに多くの人が毎年のように受けているインフルエンザワクチンは、
シーズンにより違いはあるものの、予防効果は50%程度だということです。

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気になる新型コロナワクチンの副反応は?

ワクチン接種で最も気になるのは安全性、つまり副反応の問題でしょう。

ファイザー社の報告では、最終段階の臨床試験では、
ワクチンを筋肉注射した後に、注射部位が少し赤くなり、痛みが出ることに加え、
⑴ 倦怠感(体のだるさ)が16歳から55歳では59%、56歳以上では51%
⑵ 頭痛が16歳から55歳で52%、56歳以上では39%
の割合で見られたものの、その多くは接種後12~24時間で症状が治まったそうです。

症状が長引いて数日続くなどのかたちで、比較的重い副反応として報告されたのは、
倦怠感では3.8%、頭痛では2.0%あったものの、
「重大な安全性の懸念は報告されなかった」としています。

アレルギーの既往があるとアナフィラキシーのリスクが

ただ、発生頻度は極めて低く、これまで深刻な事態に陥ったケースはほとんどないものの、
頭に入れておくべき副反応もあります。

ニュース報道によれば、1月18日の時点で、
ファイザー社製のワクチン接種により、約20万回の接種に1回の割合で、
「アナフィラキシーショック」のようなアレルギー反応が現れているというのです。

アナフィラキシーショックを起こすと、蕁麻疹(じんましん)やかゆみなどの皮膚症状に加え、
息切れ、咳などの呼吸器症状、場合によっては意識レベルが低下することもあります。

このアレルギー反応についてファイザー社は、
ワクチンに含まれるポリエチレングリコールという物質が原因の可能性があると説明しています。

これまで接種後にアレルギー反応が出た方のほとんどは、
過去にアレルギー反応の既往があったことが確認されているとのこと。

こうした経緯から、イギリスの規制当局もアメリカのCDC(疾病対策センター)も、
過去に卵などの食べ物や医薬品、他のワクチンによりアレルギー反応が出た経験のある人は、
このワクチン接種を控えるよう勧告しています。

国内においては、アレルギー反応の既往がある方、また妊娠中の女性については、
今回のワクチン接種を受けるかどうかについて、
かかりつけの医師などに相談したうえで、本人が結論を出すことを推奨しています。

国内におけるアナフィラキシーの発生頻度については、3月21日までに57万8853回のファイザー社製新型コロナワクチンの接種が行われているが、「アナフィラキシーの疑いがある」と報告された事例を国際基準で分析した結果、アナフィラキシーに該当したのは47件と報告されている。1万2316回に1件の割合ということになる。

新型コロナワクチンにも適用される国の健康被害救済制度

麻疹やインフルエンザなどのワクチン同様、新型コロナワクチンについても、
接種後の副反応は、極めてまれではあるものの、不可逆的に起こり得るものです。

この点を考慮し、ワクチン接種後少なくとも15分間、
アレルギー反応の既往のある方は接種後30分間は接種会場にとどまり、
異変がないことを確認したうえで会場から出ることが推奨されています。

また、これは今回のワクチン接種に限ったことではないのですが、
ワクチン接種により深刻な副反応が起きた場合の備えとして、
国による「予防接種後健康被害救済制度」が設けられています。

ワクチン接種と健康被害との因果関係が医学的に認定された場合は、
この救済制度により(申請手続きが必要)市区町村から給付が受けられるようになっています。

この制度の詳細は、厚生労働省がリーフレット(pdf)を用意していますので、
一度目を通しておけば、なお安心でしょう。

参考資料:首相官邸「新型コロナワクチンについて」