メタボ予防にいい運動はジョギングか筋トレか

ランニング運動と健康

「このままではメタボに……」と言われ減量を決意

知り合いの男性から、ちょっと情けないトーンの声で電話が入りました。

久しぶりに受けた人間ドッグで、担当医からこう言われてしまったというのです。

「このままではメタボになってしまいます。まずは減量しましょう。そのためには、食事を変えることも大切ですが、まずは運動です。もっと体を動かしましょう」

彼はまだ30代半ばで独身です。付き合っている彼女とそろそろ結婚しようと話し合っていることもあり、減量に挑戦しようと意を決したとのこと。

「ついては、確実に減量効果をあげるには、ジョギングと筋トレではどちらがいいと思いますか」

彼と似た状況にある方は少なくないのではないでしょうか。

そこで今日は、彼からの質問への答えをざっくりまとめてみたいと思います。

なお、このところ「内臓脂肪を減らす漢方」とか「漢方薬で脂質代謝を上げてメタボを防ぐ」など、メタボ対策に取り組んでいる方には魅力的なテレビコマーシャルが流れています。

しかし、とかく副作用が少ないとされる漢方薬ですが、常用すると副作用に見舞われることがあり、服用にはことのほか慎重さが求められます。詳しくはこちらの記事を読んでみてください。

「漢方薬だけでダイエット」は可能なの?
「やせる漢方」をキャッチコピーにした漢方薬がテレビコマーシャルで頻繁に流れている。ダイエットやメタボ予防を目的にこの漢方薬を飲み続ける人が増えていると聞く。が、漢方薬にも副作用はある。特に長く飲み続けると問題になることも少なくないという話を書いてみた。

メタボリックシンドロームの主犯は内臓脂肪

改めて言うまでもないでしょうが、彼が担当医から忠告された「メタボ」とは、メタボリックシンドローム、日本語で言えば「内臓脂肪症候群」のことです。

諸々の検査の結果、血圧も血糖値も、中性脂肪やコレステロール、特にLDL(悪玉)コレステロールなどの値も、現時点では治療を必要とするほどの値ではないことがわかった――。

しかし、これで安心してこれまでのような生活を続けていたら、内臓脂肪、つまり胃や腸など内臓のまわりにアブラ(脂肪)がたまり、遅かれ早かれ脳梗塞や心筋梗塞のような深刻な病気を引き起こすおそれがあるというのが、彼の今の状態ということになります。

この状態から抜け出すには、糖質や脂質、特に動物性脂肪の多い食品を控え、野菜類を多めに摂る、間食を避けるなど、食生活を改善*する必要があります。当然、お酒も飲み過ぎないようにすべきでしょう。

*食生活の面からのメタボ対策としては、食生活の欧米化に伴い摂取不足気味が指摘されているマグネシウムがあります。メタボの予防にはこのマグネシウム不足を補う食生活の改善が重要で、そば、海苔、ひじき、納豆、豆腐、干ししいたけ、バナナ、干しいちじく、緑黄色野菜等がおススメです。
また、このところ第三の食物繊維として注目の「レジスタントスターチ」は食べても太らない点が魅力で、こちらもメタボ予防には欠かせない栄養素です。詳しくはこちらを。
今大注目の「レジスタントスターチ」って?
多くの人を悩ます便秘の改善には「食物繊維」が欠かせない。この食物繊維には水溶性と不溶性に加え、第三の食物繊維、つまりレジスタントスターチがある。糖質の代表格であるでんぷんでありながら食物繊維の働きをして、腸活によりダイエットやメタボ予防に貢献してくれる。

加えて、運動を習慣化するなど、現状より1日10分でも多く体を動かすことから始めて、少しでも消費エネルギーを増やして、内臓脂肪を減らすように心がけることが大切になってきます。

「内臓脂肪を減らしたい」という方のなかには、「お酢ドリンク」が減量にいいからと毎日お酢を飲んでいる方もいるようです。しかし、お酢を飲むだけではその効果には限界があり、やはり運動とセットにすることが大事という話をこちらで書いています。

「お酢ダイエット」はお酢と運動のセットで
「お酢ドリンク」がダイエットの味方になるとして人気が高まっている。ただ気になるのは、お酢をそのまま飲んで胃腸トラブルを起こしている方が多いこと。また、食前酒のように飲んでダイエットに逆行している方も。ダイエット目的でお酢を摂るなら、運動とセットで!!

なお、内臓脂肪が増えると、血糖値を調整する役割を担っている「インスリン」というホルモンの働きが鈍くなってきます。血糖値の変動は内臓脂肪の減り具合を知るバロメーターともなります。

体重が気になる方は薬局で血糖値のチェックを
体重や血圧の値を健康状態のバロメーターにしている方は多い。一方で血糖値となると、めったにチェックしていないが、メタボなどの健康状態や美容、ダイエットと血糖値は深く関係している。街の薬局などにある「ゆびさきセルフ測定室」で、血糖値を測定してみてはどうか。

内臓脂肪が燃えて筋肉を動かすエネルギーに

その運動として、ジョギングやウォーキング、水泳、サイクリングのような酸素を使う有酸素運動と、筋肉トレーニング、いわゆる筋トレやウエイトリフティングなどの、酸素を使わずに糖を主なエネルギー源とする無酸素運動ではどちらが内臓脂肪を燃やしやすいか、という話です。

たとえばジョギングの動きを実際にしてみるとよくわかるのですが、有酸素運動では、酸素を使って腕や脚(ふとももやふくらはぎ)の筋肉をはじめ全身の大きな筋肉をリズミカルに動かします。

その際、筋肉を動かすエネルギー源としてまず使われるのは、内臓周辺についている脂肪、つまり内臓脂肪です。

脂肪を燃やしてエネルギーにするわけです。

このときの脂肪燃焼効果により、血液中の中性脂肪やLDLコレステロール、さらには内臓脂肪の減少が期待できることになります。

内臓脂肪を燃やすには毎日20分以上の有酸素運動を

ただし、ジョギングなどの有酸素運動により脂肪燃焼効果が得られるのは、運動を続けて20分が経過した頃からであることが、実験により確認されています。

また、できれば毎日コンスタントに、毎日が無理なら、少なくとも週に3日は1日20分以上の有酸素運動をしないと、脂肪燃焼による確かな効果は期待できないとされています。

これだけの時間を毎日捻出するのは、とくに仕事を持つ身にはそう簡単ではありません。

自宅でいつでもできるステップエクササイズ

そこで、彼には、天候に左右されることなく、自宅で、自分の都合のいい時間に気軽にできる有酸素運動として、ステップエクササイズがいいのではないかと、提案してみました。

ステップエクササイズとは、ステップ台(昇降台)と呼ばれる高さ10~30㎝ほどの長方形の台を使う運動で、階段の昇り降りができる方なら、誰でも無理なくできる有酸素運動です。もちろん身近にある階段でもいっこうにかまわないのですが……。

ステップ台は各種市販されていますが、彼には、体力に合わせて運動強度を3段階に調整することができ、しかも保護マットにより安定性が確保されているALINCOステップボードをすすめました。

これには、リズムに合わせてステップを踏めるように、テンポ音のCDが付いていますから、リズムカルナなステップを踏んで脂肪燃焼効果を高める効果が期待できるのも魅力です。

筋トレで減量につきもののリバウンドを防ぐ

ところで、ご承知かと思いますが、減量には「リバウンド」がつきものです。

努力して食事制限や運動を続け、やっと減量できたのに、ちょっと油断していたら元の状態に戻ってしまった、という話をよく耳にします。これがリバウンドです。

このリバウンドをいかにして防ぐかという話を、肥満外来の医師を取材した折に聞いたことがあります。

「答は簡単、基礎代謝量を高めることです」とのこと。つまり、筋肉を鍛えてエネルギー消費量を増やすのがいちばん、との答えでした。

基礎代謝量とは、何もしないでじっとしていても消費されているエネルギー量のことです。

言い換えれば、静かに呼吸したり、心臓を動かしたり、体温を維持したりと、最低限の生命活動を続けるのに必要なエネルギー量のこと。このエネルギー消費量が最も多いのが筋肉です。

そこで、筋肉、それも体のなかでも特に大きな筋肉群を鍛えて筋肉量を増やすことにより、エネルギーを消費しやすい体にしておけば、基礎代謝量が高まり、リバウンドしにくくなるという説明だったと記憶しています。

筋トレとして手軽にできるスクワットを

具体的には、腹筋と下肢全体の筋肉(大殿筋、大腿四頭筋、太もも、内もも、ふくらはぎ)を鍛える筋トレとして、「スクワットがいい」との話でした。

メタボ予防のために運動して減量に取り組むことを決意した彼には、この話を思い出しながら、有酸素運動としてのステップエクササイズを続け、そこへ適宜スクワットを組み入れてはどうかと話しました。

スクワットとは、説明するまでもないかもしれませんが、以下の1~4の動作を1分間に10回ほど繰り返す運動のこと。1回に3セットを目安に行うといいようです。

  1. 両足を肩幅程度に広げ、背筋を伸ばして直立する
  2. そのままの姿勢で膝をゆっくり90度になるぐらいまで曲げて腰を落とす
  3. 腰を落としたままの状態を5秒間ほど保つ
  4. ゆっくり膝を伸ばして立ち上がり直立姿勢に戻る

幸いこのスクワットについても、シート部分にお尻を乗せて腰掛けるだけで、正しい姿勢で効率的なスクワットができるように支えてくれるトレーニング器具として、 スクワットマジックがあります。

ふだんあまり運動していないという彼でも、これらの器具を上手に活用すれば、抵抗なく続けられるのではないかと、言い添えておきました。