誰でも無料で利用できる「がん相談支援センター」

鉢植え体調が悪い?

「がん相談支援センター」の存在をご存知ですか

高齢化が進んでいることも影響して、日本人の2人に1人が生涯に一度はがんを経験すると言われるほど、がんはもはや珍しい病気ではなくなっています。

しかも、医学の急速な進歩もあり、国立がん研究センターの集計によれば、2008年にがんと診断された人の10年生存率は全体で59.4%であり*、がんの種類や進行度により差はあるものの、がんが全身に広がっていなければ、おおよそ6割はがんをコントロールできるようになっています。

*10年生存率とは、あるがんと診断された人のうち10年後に生存している人の割合。
100%に近いほど治療で命を救えるがん、逆に0%に近いほど治療で命を救うのは難しいがんであることを意味する。

今や、がんは必ずしも不治の病ではなくなっていると言っても言い過ぎではないでしょう。

とは言え、がんを診断された方のなかには「がんになったら自分の人生は終わり」との思い込みから、絶望状態に陥り、そこからなかなか立ち直れないという方も、依然として少なくないようです。

その一方、がん医療が進むにつれて治療法の選択肢が増えたこともあり、担当医から治療法の選択を求められたものの決断できず、「納得して選択するためにセカンドオピニオン(別の医師の意見を聞くこと)を受けたいが、どこに相談したらいいのか」などと迷うこともあるでしょう。

そこで今回は、そんなとき気軽に利用できる「がん相談支援センター」について、
⑴ どこにあり、誰が利用できるのか
⑵ 誰に、どんな相談ができるのか
⑵ 最寄りのがん相談支援センターの探し方
の3点を中心にまとめておきたいと思います。

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「がん相談支援センター」は誰でも無料で利用できる

「がん相談支援センター」とは、がんに関するあらゆる相談に応じてくれる「がんの相談窓口」です。

全国どこにいても、誰もが質の高いがん治療やケアを納得して受けることができるように、この相談窓口が、全国の「がん診療連携拠点病院」などに設置されています。

病院によっては、がん相談支援センターの相談窓口に「医療相談室」とか「地域医療連携室」「医療福祉相談室」、あるいは「よろず相談所」等々、固有の名称を掲示しているところもあります。

しかし、そこには必ず「がん相談支援センター」と併記してありますから、すぐにわかるはずです。

厚生労働省によれば、2021年4月1日時点で、全国の「がん診療連携拠点病院」や「地域がん診療拠点病院」、「小児がん拠点病院」など451施設に、「がん相談支援センター」が設置されているそうです。

がんの予防や早期発見あるいは遺伝に関する相談も

「がん相談支援センター」は、その病院に通院中、あるいは入院しているがん患者本人はもちろんのこと、その家族も無料で利用できます。

また、通院歴がない、つまりその病院で診療を受けたことがないがん患者やその家族、あるいは「自分はがん患者ではないが、がんと診断され、この先どうしたらいいか迷い落ち込んでいる親友をどう支えてあげたらいいか」といった相談も受け付けてもらえます。

加えて、「母親が乳がんだが、遺伝するのではないかと心配だ」といったような悩みや、いわゆるがん予防や早期発見について情報を求める地域住民にも、無料で対応してくれます。

「がん相談支援センター」ではがん専門相談員が対応

「がん相談支援センター」では、がん専門相談員としての研修を受けたスタッフが、信頼できる情報に基づいて、がん治療や療養生活全般の相談に応じています。

具体的には、たとえばがん治療の副作用やがんの痛みや苦痛を和らげるための緩和ケアに関する質問や相談には、がん看護専門看護師や緩和ケア認定看護師、がん化学療法認定看護などが対応してくれます。

がん治療にかかるお金の話や治療中の生活費など経済的な問題や家族問題を含む生活全般のことは、社会福祉制度に精通している医療ソーシャルワーカー(通称「MSW」)が相談に乗ってくれます。

治療のことも仕事のことも暮らしのことも

また、がん患者が就労世代であれば、仕事を続けながらがん治療を受けたいという方が少なくありません。

このような方の就労相談や「職場に自分のがんのことをどう伝えたらいいだろうか」といった相談に、社会保険や労務管理などの専門家である社会保険労務士と連携して、対応してくれる相談センターもあります。

なお、健康保険加入者が病気などで仕事に就けなくなったときに受けられる「傷病手当金」などについてはこちらで詳しく解説しています。

→ 健康保険加入者が受けられる「傷病手当金」とは?

→ 収入が途絶えるリスクに備える「就業不能保険」は必要 ?

医師とのコミュニケーションにズレが生じたときも

がん治療を進めていくうえで、担当医やかかりつけ医とのコミュニケーションがスムーズにいっているかどうかが大きく影響してきます。

ところが、この医師とのコミュニケーションにおいては、相性が合う合わないの問題もあり、少なからずズレが生じてしまうことも少なくないようです。

そのような場合、がん専門相談員の方には、担当医との間を取り持ったり、聞きにくいことを代わりに聞いてくれたり、といったことも引き受けてもらえます。

相談した内容が、本人の了解なしに、担当医をはじめ、第三者に伝わることもありませんから、安心して相談することができます。

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最寄りの「がん相談支援センター」の探し方

「がん相談支援センター」の相談支援は、電話やe-メール、あるいは面談で行われるのが一般的です。
数は少ないのですが、出張相談を受け付けている相談支援センターもあります。

がん専門相談員と直接会うことになる面談については、その多くがプライバシーを保てるように用意された専用の個室で行われます。

また、「家族に自分ががんの診断を受けたことをまだ知られたくない」とか「職場に自分の病気のことをまだ公表してないから」、あるいは「今診てもらっている担当医に内緒で相談に来た」などの理由から、特に希望すれば匿名で相談することもできます。

ネット検索でも電話でも

最寄りの「がん相談支援センター」は、国立がん研究センターがん対策情報センターのWebサイトにある「がん相談支援センターを探す」*²で検索することができます。

該当する支援センターを見つけたら、まずはその病院のWebサイトにアクセスして診療科や診療内容などをチェックし、自分が相談したいことについて情報が得られそうだと判断したら、支援センターに電話などで連絡してみたらどうでしょうか。

しかし、なかにはネット検索は苦手だという方もいるでしょう。
その場合は、がん情報サービスサポートセンターに電話をすれば、最寄りの「がん相談支援センター」を探す手伝いをしてもらえます。

がん情報サービスサポートセンターは、
▪電話番号:0570-02-3410(ナビダイヤル)
▪受付時間:平日10時~15時(土日・祝日は除く)
・相談は無料ですが、通話料は相談者負担となります。

治療などに関する個別の相談事は病院の「看護外来」でも

なお、最近は病院の外来フロアーにある「看護外来」でも、個別の治療やケア方法、療養生活などに関する相談に対応してもらうことができます。

がんに関することなら「がん看護外来」「リンパ浮腫ケア外来」「乳がん看護外来」などがあります。
詳しくはこちらの記事を参照してみてください。

→ 看護外来は誰でも利用できる? しかし費用は?

参考資料*¹:国立がん研究センター「がん診療連携拠点病院等 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム初公開」(2021年4月27日)

参考資料*²:「がん相談支援センターを探す」