コロナ対策に「不織布マスク」が良い理由は?

不織布マスクニュースから

外出先で「不織布マスク」への着け替えを求められる

沈静化していた新型コロナウイルスが、ここにきて感染拡大の第7波に入り、連日、過去最高の新規感染者が各地で相次いでいます。

同様の傾向は世界各地で起きていて、ワクチン接種状況に大差はないのに、日本では欧米ほどの爆発的な感染拡大が起きていないのはなぜなのか、かねてから疑問でした。

その有力な理由の一つとして、浜松医療センター感染症管理顧問の矢野邦夫医師が、「不織布マスク(ふしょくふますく)」をあげていました。

日本人の多くが着用しているのは不織布マスクですが、欧米ではウレタン製マスクが多いという点が大きく影響しているのではないかというのです。

実際、感染対策としてのマスクをめぐり、街では一時期ある現象が起きていたと聞きます。

美容室や映画館、レストランなどで、「マスクは不織布マスクに統一していますので、こちらに着け替えをお願いします」と、用意してある不織布マスクを渡していたのです。

なお、少し前になりますが、2月14日(2022年)の衆議院予算委員会では、斎藤鉄夫国土交通相が、鉄道での新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、乗客に不織布マスク着用を呼びかけるよう鉄道事業者に依頼する考えを示していましたが、どうも実行には至っていないようです。

不織布マスクでないとなぜダメなの?

不織布マスクがススメられる現象に、布製やウレタン製のマスク、あるいは透明のマウスシールド愛用者のなかには、「いつも使っているマスクではなぜダメなの?」との疑問を持つ方が少なくないようです。

好みの布地をわざわざ購入し、マスクを自ら手作りして楽しんでいる方も多いと聞きますから、「せっかく手間暇かけて作ったのに……」と不満に思っている方もいるはずです。

そこで、新型コロナウイルスの感染対策としてのマスクに、布製でもウレタン製でもない、不織布製のマスクがススメられる理由を探ってみたいと思います。

不織布マスクなら新型コロナウイルスをブロック

ところで、私たちが相手にしている新型コロナウイルスは、飛沫(ひまつ)を介しての「飛沫感染」と、ドアノブなどに付着している飛沫に触れた手で口や鼻にさわって起こる「接触感染」により感染します。

飛沫、つまり新型コロナウイルスに感染している人が咳やくしゃみをした際に周りに飛び散る細かな水滴、いわゆる「しぶき」には、このウイルスが含まれている可能性があります。

米国マサチューセッツ工科大学の研究チームが行った実験では、このウイルスを含む可能性のある飛沫は、咳では最長6メートル先まで、くしゃみでは最長8m先まで飛ぶことが確認されたそうです。

ウイルス単独ではマスクでブロックできないが

新型コロナウイルスそのものは非常に小さいものです。

医療機関のICU(集中治療室)などで医療スタッフが使用している高性能マスクを着用していても、鼻と口からの侵入や空中への飛散を100パーセント阻止するのは難しいようです。

しかし、幸いなことに実際は、感染者の鼻や口からウイルスが単独で飛び出すわけではありません。

唾液や気道の分泌物がウイルスを包み込んで飛沫として飛び散るため、サイズ的には大きくなっています。

そのため、マスクで鼻と口をしっかり覆ってブロックしていれば、ウイルスを含む飛沫を吸い込んだり飛ばしたりするリスクを減らすことができます。

そのため、感染対策の基本としてマスクの着用が求められているわけです。

厚生労働省も編み目の細かい不織布マスクを奨励

この場合に着用するマスクにはいろいろな種類があり、その素材もさまざまです。

そのなかで厚生労働省がすすめているのが、このところその存在が見直されている不織布マスク、いわゆるサージカルマスク(「医療用マスク」とも「外科用マスク」とも言う)です。

不織布とは、文字どおり繊維を織っていない布のことを言い、熱や化学的な作用により繊維をピッタリ接着させ、シート状の紙のように加工されています。

この不織布を使って作られたマスクは、繊維や糸を織って作られている布製やガーゼ製のようなマスクに比べ、編み目が非常に細かくなっています。

そのため、ウィルスを含む飛沫をブロックするフィルターとしての性能が高く、新型コロナウイルスの飛沫による感染を、完全とは言えないまでも、かなり防ぐことが期待できるのです。

理化学研究所の研究チームは2月2日(2022年)、スーパーコンピューター「富岳」を使った研究で、新型コロナウイルスのオミクロン株はマスク(不織布)をした状態であっても、50㎝以内に近づいて会話をすると感染リスクが高まることを確認したと発表している。

不織布マスクの高い感染防止効果は実験で確認ズミ

実際、世界最高の解析能力を誇るスーパーコンピューター、通称スパコン「富岳(ふがく)」を使い、せきやくしゃみをしたときに吐き出される飛沫の拡散状況をシミュレーションした実験で、ウレタン製マスクや布製マスクより不織布マスクの感染防止効果がより高いことが確認されています。

この実験では、不織布マスクを着けた場合では、くしゃみや咳、会話等で発生する飛沫のうち、50マイクロメートル(㎛)以上の大きな飛沫ならほぼ100パーセント、5マイクロメートル以下のエアロゾルと呼ばれる水分を含んだ微粒子もほぼ70%はブロックできたそうです。

新型コロナウイルスの粒子そのものの大きさは直径約0.1マイクロメートルです。

ただし、ウイルスを含む飛沫の直径は5マイクロメートルほどありますから、不織布マスクの新型コロナウイルスのブロック効果は大きいと考えていいようです。

ちなみに、マイクロメートルとは想像のつかない単位ですが、1マイクロメートルは100万分の1メートル、すなわち0.001ミリとなります。

マウスシールド単独ではコロナ対策にならない

この実験では、マスクなしのフェイスシールドだけを着けた場合(額から鼻まで覆われている)の、咳やくしゃみ、会話に伴う飛沫の拡散状況もシミュレーションしています。

その結果、直径が5マイクロメートル以下の、「エアロゾル」と呼ばれるウイルス微粒子はほぼ100パーセントがもれ、50マイクロメートル以上の飛沫でも、約半分がもれ出て周囲に拡散することが確認されています。

この点について、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏は、こう説明しています。

「フェイスシールド単独ではマスクと違い、他人の飛沫を吸い込むことを完全に防ぐことはできないし、自分の飛沫の拡散を防ぐ効果もマスクほどは期待できません」

このことから考えると、フェイスシールドよりかなり小さなサイズの、口元と鼻先だけをかろうじて覆っているマウスシールド(「マウスガード」とも言う)に、ウイルスブロック効果はほとんど期待できないことが、容易に想像できるのではないでしょうか。

不織布マスクを選ぶなら日本製で3層構造の製品を

ところで、「不織布マスク」として市場で売られている製品にはさまざまあります。

なかには、衛生環境があまりよくない工場で生産されているものもあります。

不織布自体が粗悪だったり、耳に掛けるひもがはずれやすかったりと、品質に問題のあるものも出回っていることも指摘されています。

マスクは、私たちが呼吸により鼻や口を介して気管から肺へと取り入れる空気の、いわばフィルターの役目をしているものですから、衛生的かどうかには気を配りたいものです。

マスクを購入する際は、パッケージに「全国マスク工業会・会員マーク」があること、あるいは医療用マスクの米国規格基準「ASTM-F2100」などに適合していることなどが、明記してあるものを選ぶことをおすすめします。

また、同じ不織布マスクでも、2層以上のもの、できれば3層以上の構造で、目が詰まっていて、形状的にも顔にしっかりフィットするものがいいでしょう。

「シャープクリスタルマスク」がおススメです

私事ですが、最近我が家は大きめサイズの「シャープクリスタルマスク」に買い換えました。

不織布の立体4層構造でウイルス防御力が高いうえに、空間が広いため会話をしてもマスクが口につかず、しかも顔にフィットして使い心地満点、さらには見た目がおしゃれで、おススメです。

お買い求めは、シャープのオンラインストア COCORO STOREで。

新型コロナの感染対策に「歯みがき」と「舌みがき」を

なお、新型コロナウイルスの感染対策として「うがい」に期待できる予防効果は、「やらないよりやったほうがいい」といった程度のもののようです。

もちろん人込みの中を歩いてきたとか、外出から帰ったら、まずは口をすすぎ、そのうえでガラガラとうがいをしておくことはおすすめです。

この「うがい」以上に、「歯みがき」や「舌みがき」といった口腔ケアが新型コロナウイルスの感染対策には有効だとする歯科医師の話をこちらで紹介しています。是非参考に!!

新型コロナの感染予防に「歯みがき」と「舌みがき」を
新型コロナの感染対策としてあまり語られていない「歯みがき」と舌苔と呼ばれる舌の汚れを取り除く「舌みがき」についてまとめた。口の中をコロナウイルスの温床としないためには、雑に回数を増やすより、1日1回でも徹底した歯みがきと舌みがきを行うことが感染予防になるらしい。